追い打ちをかける

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慣用句
追い打ちをかける
(おいうちをかける)
短縮形:追い打ち

8文字の言葉」から始まる言葉
追い打ちをかける 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

予期せぬ不運に見舞われ、心身が弱り切っている瞬間があります。
そんな苦境にあって、非情にもさらなる衝撃が重なり、事態がいっそう悪化してしまう。
そのような状況を、「追い打ちをかける」(おいうちをかける)と言います。

意味・教訓

「追い打ちをかける」とは、すでに打撃を受けて弱っているものに対して、さらに攻撃を加えて追い詰めるという意味です。

もともとは物理的な攻撃を指していましたが、現代では精神的な追い込みや、不運な状況が重なることの比喩として広く使われます。
「弱り目にさらに打撃を与える」というニュアンスが強く、多くの場合、事態がさらに悪化するネガティブな文脈で用いられる言葉です。

語源・由来

「追い打ちをかける」の由来は、古くからの戦場での戦法にあります。
「追い打ち」とは、敗走して逃げていく敵軍を背後から追いかけて斬り捨てる「追撃」のことを指しました。

すでに戦意を失い、逃げ惑う相手を容赦なく攻撃し、とどめを刺す様子から転じました。
現在では、精神的にまいっている人への厳しい言及や、悪い出来事が立て続けに起こる災難の重なりを表現するようになりました。

使い方・例文

相手がすでに苦境にあることを知りながら、さらに厳しい態度をとる場面や、不運が重なってしまった状況を説明する際に使われます。

例文

  • 「試合に負けた選手を厳しく叱り、追い打ちをかける。」
  • 「業績悪化に不祥事が重なり、経営に追い打ちをかける。」
  • 「風邪で寝込んでいる最中に停電し、追い打ちをかける。」
  • 「失業した友人に説教をして、追い打ちをかけるのはやめよう。」

注意点

「追い打ちをかける」は、攻撃的な意図が含まれる場合が多い言葉です。
不可抗力による災難(天候や偶然の重なり)に使う分には問題ありませんが、人の言動に対して使う場合は「容赦のない仕打ち」という批判的な響きが伴います。
相手を慰めるつもりで言ったことが、結果的に「追い打ちをかける」ことになっていないか、言葉選びには注意が必要です。

類義語・関連語

「追い打ちをかける」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 泣きっ面に蜂(なきっつらにはち):
    不幸なことが起きている時に、さらに不幸が重なること。
  • 弱り目に祟り目(よわりめにたたりめ):
    不運な状況で、さらに悪いことが重なること。
  • 傷口に塩を塗る(きずぐちにしおをぬる):
    苦しんでいる人に、さらなる苦痛や追い詰めを与えること。
  • 踏んだり蹴ったり(ふんだりけったり):
    不幸や不運が重なり、ひどい目にばかりあうこと。

対義語

「追い打ちをかける」とは対照的に、困っている人を助ける意味の言葉には、以下のようなものがあります。

  • 助け舟を出す(たすけぶねをだす):
    苦境にある人を救うために、横から援助すること。
  • 手を差し伸べる(てをさしのべる):
    困っている人に救いの手を貸し、助けること。
  • 地獄で仏(じごくでほとけ):
    苦しい状況にある時に、思いがけず現れた救い主のこと。

英語表現

「追い打ちをかける」を英語で表現する場合、以下のフレーズがネイティブによってよく使われます。

Kick a man when he is down

直訳すると「倒れている人を蹴る」となります。
すでに負けて弱っている相手に対して、さらにひどい仕打ちをするという意味で、日本語のニュアンスに非常に近い表現です。

  • 例文:
    I know he made a mistake, but don’t kick a man when he is down.
    彼が失敗したのはわかるが、追い打ちをかけるようなことはするな。

Add insult to injury

「怪我に侮辱を加える」という意味の定型句です。
不運な出来事が起きた上に、さらに状況を悪化させるようなことが重なった際に使われます。

  • 例文:
    The car broke down in the rain, and to add insult to injury, I lost my phone.
    雨の中で車が故障し、追い打ちをかけるように携帯電話まで失くした。

まとめ

「追い打ちをかける」は、すでに苦しい立場にある人へさらなる打撃が加わるという、非常に厳しい状況を表す言葉です。
戦場での追撃を語源とするこの言葉には、逃げ場のない相手を追い詰める冷徹な響きがあります。

私たちは生活の中で、知らず知らずのうちに誰かへ追い打ちをかけてしまうことがあるかもしれません。
相手が弱っている時こそ、追い打ちをかけるのではなく、そっと手を差し伸べられるような心の余裕を持ちたいものですね。

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