不都合な事実や失敗を一時しのぎで取り繕い、表面だけを整えてやり過ごすこと。
このような状態を表すのが、「糊塗」(こと)です。
意味
「「糊塗」は、不都合な事実を隠し、一時しのぎに表面だけを取り繕ってその場をごまかすという意味です。
「糊」は曖昧でぼんやりとした様子を、「塗」は泥にまみれる、または表面に塗りつけることを表します。
物事の輪郭をあいまいに濁し、うわべだけを取り繕って問題を覆い隠す様子を示しています。
語源・由来
「糊塗」という言葉は、中国の歴史書『宋史』などにみられる表現が由来とされています。
同書の「呂端伝」には、重大な局面では決してごまかさないという意味合いで「大事は糊塗せず」という記述が登場します。
もともと中国語において「ぼんやりして曖昧な様子」や「ごまかすこと」を意味する言葉であり、そこから日本でも、失敗や欠点を一時しのぎで取り繕うという意味で定着しました。
使い方・例文
「糊塗」は、失敗や不祥事に対する一時的なごまかしや隠蔽の場面で使われます。
- 帳尻を合わせるために数字を糊塗したが、すぐに発覚した。
- 掃除を怠った形跡を糊塗しようと、目立つ場所だけを拭いた。
- 卑怯な糊塗は事態を悪化させると考え、潔く責任を認めた。
類義語・関連語
「糊塗」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 弥縫(びほう):
失敗や欠点を一時逃れで取り繕うこと。 - お茶を濁す(おちゃをにごす):
適当なことを言って、その場をやり過ごすこと。 - 取り繕う(とりつくろう):
不都合な点などを隠して、外見だけを立派に見せること。
対義語
「糊塗」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 抜本的(ばっぽんてき):
根本に立ち返って、原因を取り除こうとする様子。 - 露呈(ろてい):
隠れていたものが、むき出しになって現れること。
英語表現
gloss over
意味:問題などを適当にあしらってうわべを飾ること
- 例文:
She tried to gloss over the fact that the project was behind schedule.
彼女はプロジェクトが遅れているという事実を糊塗しようと試みました。
隠蔽の心理と、傷口を広げる一時しのぎの代償
ビジネスや日常の場面でミスが発覚した際、事実を隠して表面上の体裁だけを整える行動がみられます。
このような対応は、元の失敗に対して「意図的な隠蔽」という新たな問題を重ねることになります。
根本的な原因が解決されないまま放置されるため、事態は水面下で肥大化し、再発覚時の被害が当初より拡大します。
さらに、意図的にごまかしたという事実が加わることで、周囲からの信用は最初のミス以上に大きく失墜します。
一時しのぎの取り繕いが、結果的に問題をより深刻化させるという構造を持っています。









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