意味
「門外不出(もんがいふしゅつ)」とは、貴重な品物や技術などを、家や組織の外部に決して出さないことです。
辞書においては、主に以下の2つの意味で定義されています。
- 持ち出し・公開の禁止(主流):貴重な品物や秘伝の技術、機密情報などを外部に漏らさないこと。
- 自宅に閉じこもること:人目を避け、人が家から一歩も外に出ないこと(蟄居:ちっきょ)。
現代では主に1の意味で使われ、単に物理的なモノを持ち出さないだけでなく、他人に見せたり教えたりしないといった「情報の秘匿」も含みます。
語源・由来
- 門外(もんがい):家の門の外。世間、外部。
- 不出(ふしゅつ):外へ出さないこと。
この二つの言葉を組み合わせた四字熟語です。
特定の故事から生まれた言葉ではなく、文字どおり「その家から外へ持ち出さない」ことを表し、転じて、貴重なものを他人に見せたり貸したりしないことを言います。
使い方・例文
「門外不出」は、外部に漏らしてはならない価値の高いものに対して使われるほか、人が家に引きこもる様子を表す際にも使われます。
- 創業から継ぎ足している門外不出のタレ。
- 彼は門外不出のコレクションを金庫に厳重にしまっている。
- 騒ぎのあと、彼は世間の目を避けてしばらく門外不出の暮らしを続けた。
類義語・関連語
「門外不出」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 秘蔵(ひぞう):
大切なものとして、自分だけで大切にしまっておくこと。 - 一子相伝(いっしそうでん):
学問や技芸の奥義を、自分の子供の一人だけに秘密裏に伝えること。 - 秘中の秘(ひちゅうのひ):
秘密の中でも、特に厳重に守られている事柄。
英語表現
a closely guarded secret
意味:厳重に守られた秘密。
秘伝や機密情報など。
The recipe is a closely guarded secret.
(そのレシピは門外不出だ。)
鴎外は人目を避ける僧の暮らしを「門外不出」と書いた
「門外不出」の2つ目の意味、人目を避けて家に閉じこもることは、森鴎外の『護持院原の敵討』(1913年)に登場します。
敵討ちの相手を探して九州を回る一行が、長崎で勧善寺という寺の客僧のうわさを聞く場面で、町年寄から聞いた話は次のように書かれています。
それは紀州産のもので、何か人目を憚るわけがあると云って、門外不出で暮していると云うのである。
(森鴎外『護持院原の敵討』1913年)
寺から出ずに暮らす若い僧を、一行は敵らしいと考えました。
棒術の弟子入りを装って面会しますが、会ってみると敵とは似ても似つかない別人でした。









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