身の毛もよだつ

『身の毛もよだつ』の文字サムネイル 個別解説
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あまりの恐ろしさに、腕の皮膚が一斉にざわつく。
そんな全身が総毛立つ恐怖を表すのが、「身の毛もよだつ」(みのけもよだつ)です。

意味

「身の毛もよだつ」とは、恐怖のあまり、体中の毛が逆立つように感じるほどぞっとするという意味です。

単なる怖さではなく、背筋が凍るほどの強烈な恐怖を表します。
凄惨な出来事や不気味な話など、体の反応にまで及ぶ恐怖感を伝える言葉です。

  • 身の毛(みのけ):体に生えている毛
  • よだつ:恐怖や緊張で、毛が逆立つように体がこわばること

語源・由来

「身の毛もよだつ」は、たいへん古い時代から使われてきた表現です。

「よだつ」は「いよいよ立つ」が縮まった言葉とされ、寒さや恐ろしさで体が緊張してこわばる様子を指します。
13世紀前半に成立した軍記物語『平家物語』にも「身の毛よだって」という表現が見られ、恐ろしいものに触れたときに体の毛が逆立つ感覚が、古くからそのまま言葉として使われてきたことが分かります。

使い方・例文

「身の毛もよだつ」は、強烈な恐怖を感じた出来事を語る場面で使われます。

  • その事件の詳細は、身の毛もよだつほど恐ろしいものだった。
  • 夜道で聞こえた物音に、身の毛もよだつ思いがした。
  • 身の毛もよだつような怪談を、祖母がよく話してくれた。

類義語・関連語

「身の毛もよだつ」と同じように、強い恐怖を表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 背筋が凍る(せすじがこおる):
    強い恐怖で、体が冷たくこわばるように感じること。
  • 肝を冷やす(きもをひやす):
    危険な状況に驚き、ひやりとした恐怖を感じること。

「身の毛もよだつ」と「肝を冷やす」の違い

どちらも強い恐怖を表しますが、対象が異なります。「身の毛もよだつ」は残酷さや不気味さへの恐怖に、「肝を冷やす」は危険な状況に対する一瞬の驚きに使われます。

語句主な対象
身の毛もよだつ残酷さ・不気味さへの恐怖
肝を冷やす危険な状況への一瞬の驚き

英語表現

make one’s hair stand on end

「髪の毛を逆立たせる」という直訳のとおり、恐怖で身の毛もよだつ様子を表す表現。

The horror story made my hair stand on end.
(その怪談は身の毛もよだつほど怖かった。)

「鳥肌」を生む体の防御反応

恐怖や寒さを感じたとき、皮膚の毛穴の周りにある小さな筋肉が収縮し、毛が逆立って肌の表面がぶつぶつと盛り上がる現象を「鳥肌」と呼びます。
これはもともと、毛を逆立てて体を大きく見せたり体温を保ったりするための、動物に共通する防御反応の名残とされています。

「身の毛もよだつ」という言葉は、日本語と英語の双方に見られるように、人類が共通して持つこの体の反応を、そのまま恐怖を表す言葉に転用した例だといえます。

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