孫の顔を見た瞬間、こわばっていた表情がふっとほどけて緩む。
そんな、うれしさや愛おしさで思わずこぼれる顔つきを表すのが、「目尻を下げる」(めじりをさげる)です。
意味
「目尻を下げる」とは、満足したり愛おしく思ったりして、非常に優しい顔つきになることという意味です。
子どもや孫、恋人など、愛情を注ぐ対象を前にしたときの、思わずこぼれる表情を表す際によく使われます。
笑顔になると目尻の皮膚が下方に引かれるように動く、実際の表情の変化を捉えた言葉です。
- 目尻(めじり):目の、耳に近い側の端
- 下げる(さげる):低い位置へ動かすこと
語源・由来
「目尻を下げる」は、人が笑顔になったときに起こる、目元の実際の動きをそのまま言葉にした表現です。
「目尻」は目の、耳に近い側の端を指し、「目頭」と対になる言葉です。
人はうれしさや愛情がこみ上げると、頬が持ち上がって目が細くなり、目尻のあたりの皮膚が下がったように見える表情になります。この観察に基づいて、満足げで愛情のこもった顔つきを「目尻を下げる」と表すようになりました。
使い方・例文
「目尻を下げる」は、愛おしさや満足感からくる、優しい表情を表す場面で使われます。
- 祖父は孫の顔を見るたびに、目尻を下げて喜んでいる。
- 彼女は好物を目の前にすると、思わず目尻を下げる。
- 部長は新人の成長ぶりに、目尻を下げて喜んでいた。
類義語・関連語
「目尻を下げる」と同じように、うれしさからくる表情を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 目を細める(めをほそめる):
うれしさや愛情から、優しい表情になること。 - 相好を崩す(そうごうをくずす):
うれしさのあまり、思わず笑顔になること。
対義語
「目尻を下げる」の反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 眉をひそめる(まゆをひそめる):
不快感や心配から、顔をしかめること。
英語表現
one’s eyes light up
喜びや愛情で、目が輝くように表情が明るくなることを表す表現。
Her eyes lit up when she saw her grandchildren.
(彼女は孫たちの顔を見て目尻を下げた。)
「目元の緩み」が本物の笑顔の証とされる理由
心理学の分野では、口元だけでなく目の周りの筋肉まで動く笑顔は「デュシェンヌ・スマイル」と呼ばれ、心からの喜びを示す本物の笑顔の指標とされている。
「目尻を下げる」という表現が捉えているのも、まさにこの目元の筋肉の動きであり、意識的に作ることが難しい表情の変化に着目している点で、経験に基づく観察の鋭さがうかがえる。
口先だけの笑顔と見分けがつきにくい中で、目尻の動きという細部を古くから言葉にしてきたことは、人が他者の感情を読み取る際、無意識のうちに目元の変化を手がかりにしてきたことを示している。









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