意味
「月に雁(つきにかり)」とは、二つのものの取り合わせが実によく似合い、この上なく調和しているという意味です。
「梅に鶯」「紅葉に鹿」などと同じように、自然の風物同士の美しい組み合わせを引き合いに出して、人や物事の相性の良さをたとえる際に使われます。
- 雁(かり):秋に飛来する渡り鳥。
語源・由来
「月に雁」は、秋の夜空に浮かぶ月と、列をなして渡る雁の取り合わせを、古くから美しい情景として愛でてきた日本の文化から生まれた言葉です。
「梅に鶯」「紅葉に鹿」などと同じように、和歌や絵画の中で繰り返し組み合わせて描かれてきたことが、似合いの取り合わせを表す言葉として使われる由来になっています。
使い方・例文
「月に雁」は、二つのものがこの上なくよく似合っている様子を表す場面で使われます。
- あの二人のコンビは、月に雁と言えるほど息が合っている。
- この器と料理の組み合わせは、まさに月に雁だ。
- 声と曲調が月に雁のようにぴったり合っている。
類義語・関連語
「月に雁」と同様に、自然の風物を組み合わせた似合いの取り合わせをたとえる言葉には、以下のようなものがあります。
- 梅に鶯(うめにうぐいす):
似合いの取り合わせをたとえる言葉。 - 紅葉に鹿(もみじにしか):
よく似合う組み合わせをたとえる言葉。
英語表現
a match made in heaven
この上なく相性の良い組み合わせを表す表現。
These two flavors are a match made in heaven.
(この二つの風味は、まさに天が引き合わせた組み合わせだ。)
go together like peas and carrots
自然にぴったりと調和する組み合わせを表す口語的な表現。
They go together like peas and carrots.
(二人はまるでグリンピースとにんじんのようにぴったりだ。)
月と雁、和歌が選んだ秋の組み合わせ
「月に雁」は、澄んだ夜空を渡っていく雁の群れと月を組み合わせた、秋を代表する情景です。
月と何かを取り合わせて美しさを詠む発想は、「雪月花」「花鳥風月」といった言葉にも見られるように、日本の古い詩歌の伝統に根ざしています。
「梅に鶯」のように、自然の景物同士を対にして味わう感覚は、実際の生態としての結びつきよりも、季節の情緒を重ねて描く美意識から選ばれてきたものです。
「月に雁」という組み合わせにも、こうした日本語の自然観が表れています。










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