月に雁

『月に雁』の文字サムネ 個別解説
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秋の夜空に浮かぶ月と、連なって飛ぶ雁の群れ。
そんな絵になるほどよく似合う取り合わせを表すのが、「月に雁」(つきにかり)です。

意味

「月に雁」とは、二つのものがよく似合い、この上なく調和がとれている取り合わせという意味です。

「梅に鶯」「紅葉に鹿」などと同じように、自然の風物同士の美しい組み合わせを引き合いに出して、人や物事の相性の良さをたとえる際に使われます。

  • (かり):秋に飛来する渡り鳥。

語源・由来

「月に雁」は、秋の夜空に浮かぶ月と、列をなして渡る雁の取り合わせを、古くから美しい情景として愛でてきた日本の文化から生まれた言葉です。

この組み合わせは、花札の8月の札にも「芒に雁」「芒に月」として描かれており、月見の風習が根づいていた旧暦8月15日の中秋の名月と、ちょうど渡ってくる雁の時季が重なることから、秋を代表する取り合わせとして定着したという説があります。
「梅に鶯」「紅葉に鹿」などと同じように、和歌や絵画の中で繰り返し組み合わせて描かれてきたことが、似合いの取り合わせを表す言葉として使われる由来になっています。

使い方・例文

「月に雁」は、二つのものがこの上なくよく似合っている様子を表す場面で使われます。

  • あの二人のコンビは、月に雁と言えるほど息が合っている。
  • この器と料理の組み合わせは、まさに月に雁だ。
  • 声と曲調が月に雁のようにぴったり合っている。

類義語・関連語

「月に雁」と同様に、自然の風物を組み合わせた似合いの取り合わせをたとえる言葉には、以下のようなものがあります。

  • 梅に鶯(うめにうぐいす):
    似合いの取り合わせをたとえる言葉。
  • 紅葉に鹿(もみじにしか):
    よく似合う組み合わせをたとえる言葉。

英語表現

a match made in heaven

この上なく相性の良い組み合わせを表す表現。

These two flavors are a match made in heaven.
(この二つの風味は、まさに天が引き合わせた組み合わせだ。)

go together like peas and carrots

自然にぴったりと調和する組み合わせを表す口語的な表現。

They go together like peas and carrots.
(二人はまるでグリンピースとにんじんのようにぴったりだ。)

組み合わせに何を選ぶかという日英の違い

似合いの取り合わせを表す言葉は、日本語と英語とでは引き合いに出す対象に違いが見られます。
「月に雁」「梅に鶯」のように、日本語では季節の風物同士を組み合わせて美しい情景としてとらえるのに対し、英語の「peas and carrots」(グリンピースとにんじん)や「salt and pepper」(塩とこしょう)は、日常の食卓にある身近な物を引き合いに出す実用的な発想が目立ちます。

どちらも二つのものがセットで思い浮かぶという点は共通していますが、日本語の表現には花鳥風月を愛でる美意識が色濃く反映されています。

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