寝首をかく

「寝首をかく」の文字を配した和紙風タイポグラフィのサムネイル 個別解説
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無防備になった相手の隙を突く、卑怯な不意打ち。
そんな振る舞いを指すのが、「寝首をかく」(ねくびをかく)です。

意味

「寝首をかく」とは、眠っている、または油断している相手を不意打ちで襲い、陥れることという意味です。

正々堂々と立ち向かうのではなく、卑怯な手段で人をおとしいれる行為に用いられるため、強い非難のニュアンスを伴う言葉です。

  • 寝首(ねくび):眠っている無防備な人の首。
  • かく(掻く):刀などで切り取ること。

語源・由来

「寝首をかく」は、文字通り、眠り込んで無防備になっている人の首を刀で切り取るという、生々しい行為から生まれた言葉です。

かつての合戦では、正面から堂々と挑む一騎打ちが名誉とされる一方で、敵の陣に忍び込み、寝込みを襲う戦法も用いられていました。
そこから、正々堂々とではなく、相手の隙や油断につけ込んで陥れる卑怯なやり口を指す表現として使われるようになったといわれています。

使い方・例文

「寝首をかく」は、信頼していた相手や油断していた場面で裏切られたことを、非難を込めて表現する際に使われます。

  • 交渉の最中に寝首をかくような真似だけはするな。
  • 信頼していた部下に寝首をかかれるとは思わなかった。
  • 油断した隙に寝首をかかれ、契約を奪われた。

類義語・関連語

「寝首をかく」と同様に、卑怯な手段で人を陥れることを表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 不意を突く(ふいをつく):
    相手の油断に乗じて、思いがけない行動に出ること。
  • 闇討ちにする(やみうちにする):
    正面からでなく、卑怯なやり方で相手を陥れること。

「寝首をかく」と「闇討ちにする」の違い

どちらも相手の隙を突いて陥れる点は共通していますが、「寝首をかく」は信頼や油断につけ込む裏切りの卑怯さを、「闇討ちにする」は不意打ちそのものの直接的な攻撃性を強調します。

語句強調される点
寝首をかく
(ねくびをかく)
信頼や油断につけ込む卑怯さ
闇討ちにする
(やみうちにする)
不意打ちの直接的な攻撃性

英語表現

stab someone in the back

信頼していた相手から裏切られる、卑怯な行為を表す表現。

He stabbed his old friend in the back to win the promotion.
(彼は昇進のために、古くからの友人の寝首をかいた。)

夜討ち朝駆けという戦国の戦法

戦国時代の合戦では、日中に正面から布陣を組んで戦う一方、敵の油断を突いて夜のうちに攻め込む「夜討ち」や、夜明け前に攻める「朝駆け」と呼ばれる戦法もたびたび用いられました。

眠っている敵陣に忍び込み、大将の寝込みを襲う戦い方は、正々堂々とはいえないものの、戦況を一気に覆す有効な手段として各地の武将に使われています。
「寝首をかく」という言葉が、単なる暴力ではなく裏切りや卑怯さへの非難として今も使われ続けているのは、正面から挑まずに勝ちを拾う行為が、当時から武士の名誉に反するものとして受け止められていたことの表れといえます。

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