尻に火がつく

『尻に火がつく』の文字サムネイル 個別解説
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提出期限が明日に迫っているのに、資料はまだ半分もできていない。
そんな切羽詰まった状況を表すのが、「尻に火がつく」(しりにひがつく)です。

意味

「尻に火がつく」とは、物事が目前に迫り、落ち着いていられなくなることという意味です。

締め切りや期限が間近に迫り、のんびり構えていられずに慌てて動き出さざるを得ない状況を指す言葉です。

語源・由来

「尻に火がつく」は、特定の書物に由来する言葉ではなく、実際に体が火に近づいたときの反応をそのまま言葉にした、素朴な発想から生まれた表現です。

座っている自分の尻の下に火が迫ってくれば、誰でもじっとしてはいられず、慌てて飛び上がって動き出すはずです。
この、身の危険を感じて反射的に動かざるを得なくなる様子が、締め切りに追われて焦る心理状態にそのまま重ねられ、日常語として定着していきました。

使い方・例文

「尻に火がつく」は、締め切りや期限が迫り、焦って行動する場面で使われます。

  • 締め切り前日になって、ようやく尻に火がついた
  • 尻に火がつくまで動かないのが、彼の悪い癖だ。
  • 試験当日が近づき、さすがに尻に火がついたようだ。

類義語・関連語

「尻に火がつく」と同様に、物事が差し迫った状況を表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 切羽詰まる(せっぱつまる):
    物事が差し迫って、追い詰められた状態になること。
  • 時間の問題(じかんのもんだい):
    遠からず、必ずそうなることが分かっている状態。

英語表現

be under the gun

締め切りなどのプレッシャーに追われている状態を表す口語表現。

I’m really under the gun to finish this by tomorrow.
(明日までに終わらせなければならず、尻に火がついている。)

なぜ人は締め切り直前まで動けないのか

行動経済学では、締め切りが遠いうちは行動を先延ばしにし、間際になって急に集中する傾向を「先延ばし(プロクラスティネーション)」と呼びます。
締め切りまでの時間が十分にあると、脳は差し迫った危機として認識せず、後回しにする判断を下しやすくなるためだとされています。

一方で、期限が目前に迫ると、危機感によって集中力や作業効率が一時的に高まることも知られており、これは「デッドラインエフェクト」と呼ばれる現象です。
「尻に火がつく」という古くからの表現は、こうした人間の心理的な傾向を、専門用語のなかった時代から的確に言い当てていた言葉だといえます。

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