少しの手抜かりも残さないよう、あらゆる準備を整えて臨む、そんな周到な姿勢を表すのが、「万全を期す」(ばんぜんをきす)です。
意味
万全を期すとは、失敗や不備が一切ないよう、できる限りの準備や対策を整えるという意味です。
慎重かつ徹底した姿勢を強調するときに使われます。
- 万全(ばんぜん):少しも欠けたところがなく完全なこと。
- 期す(きす):そうなることを目指し心に決める。
語源・由来
「万全」は中国の史書などに見られる漢語で、「万に一つも欠けるところがない」という意味から、完全無欠な状態を表す言葉として使われてきました。
特に兵法書や史書では、戦に臨む際の周到な備えを説く文脈でしばしば用いられていたという説があります。
「期す」は「そうなることを心に決めて目指す」という意味で、「万全」と組み合わさることで、完全な状態を目指して備えるという現在の使い方が生まれたと考えられています。
使い方・例文
「万全を期す」は、失敗を防ぐための周到な準備を述べる場面で使われます。
- 本番に向けて、万全を期してリハーサルを重ねた。
- 安全管理には万全を期す方針を徹底している。
- 契約書の確認は万全を期して行うべきだ。
類義語・関連語
- 念には念を入れる(ねんにはねんをいれる):
十分に注意したうえに、さらに用心を重ねること。
英語表現
- leave no stone unturned:
あらゆる手段を尽くして、万全を期すことを表す表現。
「期す」という言葉に込められた強い意志
「期す」は本来、日を定めて待つという意味の「期」に由来し、時間的な区切りを意識させる語でした。
そこから転じて、「実現を目指して心に誓う」という意志的な意味を持つようになり、「万全を期す」「雪辱を期す」のように、強い決意を表す言い回しに定着しました。
単なる「準備する」ではなく「そうなるよう心に定める」というニュアンスが、この言葉に重みを与えています。









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