大切に育ててきた娘に、素性の知れない男が言い寄っている。
親としてはどうにも心配になる、そんな状況を表すのが、「悪い虫がつく」(わるいむしがつく)です。
意味
「悪い虫がつく」とは、未婚の女性に、素行の良くない男性が言い寄ったり付きまとったりすることという意味です。
また、そのような男性と実際に交際を始めてしまうことを指す場合もあります。
親や周囲の人が、当人を心配したり忠告したりする際に使われる、警戒や懸念のニュアンスを含んだ言葉です。
- 悪い虫(わるいむし):害を及ぼす好ましくない相手のたとえ
- つく:付きまとう、寄り添うこと
語源・由来
「悪い虫がつく」は、農作物や樹木に害虫が取りつく様子を、人間関係にたとえた言葉です。
大切に育てた作物に害虫がつくと、見た目には分かりにくいまま内側から蝕まれ、やがて台無しになってしまいます。
大切に育ててきた娘に、好ましくない男性が近づいてくる様子を、この害虫が取りつく光景に重ね合わせたことから生まれた表現とされています。
使い方・例文
「悪い虫がつく」は、未婚の女性に良くない相手が近づく状況を心配する場面で使われます。
- 父親は、娘に悪い虫がつかないかと気を揉んでいる。
- 大学デビューで、彼女に悪い虫がついてしまわないか心配だ。
- 悪い虫がつく前に、しっかり見守っておこう。
類義語・関連語
「悪い虫がつく」と同じく、好ましくない異性関係への警戒を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 狐がつく(きつねがつく):
人をだます悪知恵の働く者に取り入られること。
大切なものほど「虫がつく」と表現される理由
「虫がつく」という言い回しは、男女関係以外にも、米や豆などの穀物、着物や書物といった大切に保管したいものについても使われる。
共通しているのは、外からは気づきにくいまま内側から徐々に損なわれていく、という被害の進み方だ。虫食いの被害は、表面が大きく壊れる前に内部から進行することが多く、気づいたときには手遅れになっているという性質を持つ。人間関係における「悪い虫」もまた、最初は好ましく見えても、後になって初めてその害が明らかになるという点で、この虫食いのイメージと重なっている。
気づきにくいまま進行する被害という共通点が、穀物にも人間関係にも同じ「虫」という言葉を当てはめさせている。









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