慣用句

暗礁に乗り上げる

(あんしょうにのりあげる)

思わぬ障害が起きて、物事の進行が妨げられること。


11文字の言葉」から始まる言葉
暗礁に乗り上げる ことば
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意味

「暗礁に乗り上げる」は、交渉や計画、捜査など、それまで進んでいたものが途中で止まってしまった状況に使います。
「暗礁」は水面下に隠れて外から見えない岩のことで、予測できなかった障害にぶつかって先へ進めなくなるという意味を、船の事故になぞらえた言い方です。

  • 暗礁(あんしょう):水面下に隠れて見えない岩。
  • 乗り上げる(のりあげる):船が浅瀬や岩に乗って動けなくなること。

語源・由来

「暗礁に乗り上げる」は、航海中の船が暗礁に乗り上げると身動きがとれなくなる、というところから生まれた言い方です。
文献に現れる古い例は、国木田独歩の日記『欺かざるの記』(1908〜09年)の明治二十九年四月二十二日の項で、結婚して半年のうちに訪れる危うさを書いたくだりに「成程御身は五ケ月目に此の暗礁に乗り上げたり」とあります。
ここでは、始まったばかりの結婚生活が行き詰まったことを、船の事故に重ねています。

使い方・例文

「暗礁に乗り上げる」は、進んでいた交渉や計画が思わぬ障害で止まったときに使われます。

  • 価格の折り合いがつかず、両社の交渉は暗礁に乗り上げた
  • 目撃者が一人も現れず、捜査は完全に暗礁に乗り上げている
  • 予算案は議会で暗礁に乗り上げ、審議が止まったままだ。

類義語・関連語

「暗礁に乗り上げる」と同じく、物事が途中で行き詰まる様子を表す言葉には以下のようなものがあります。

  • 八方塞がり(はっぽうふさがり):
    どの方向にも打つ手がなく、身動きがとれない状態。
  • 進退窮まる(しんたいきわまる):
    進むことも退くこともできなくなること。
  • 万事休す(ばんじきゅうす):
    手の打ちようがなくなり、すべてが終わること。

「暗礁に乗り上げる」と「八方塞がり」の違い

どちらも物事が先へ進まない状態を指すため、置き換えて使われることがあります。
違いは、止まった原因が一つの障害にあるか、逃げ道そのものが無いかという点です。

語句止まる理由主語になるもの
暗礁に乗り上げる
(あんしょうにのりあげる)
思わぬ障害にぶつかる交渉、計画、捜査など
八方塞がり
(はっぽうふさがり)
どの方向にも道が無い人や立場

対義語

「暗礁に乗り上げる」とは逆に、物事が滞りなく進む様子を表す言葉があります。

  • 順風満帆(じゅんぷうまんぱん):
    追い風を受けた帆のように、物事がすべて順調に進むこと。

英語表現

run aground

船が浅瀬や岩に乗り上げることを表す言い回しで、交渉や計画が行き詰まる場面にもそのまま使える表現。

The peace talks have run aground over the border issue.
(和平交渉は国境問題で暗礁に乗り上げている。)

hit a snag

snagは水中に沈んだ木の枝など、船の通行を妨げるもののことで、思わぬ問題にぶつかって作業が止まる状況を表す言い回し。

The project hit a snag when the funding was delayed.
(資金が遅れ、計画は暗礁に乗り上げた。)

「暗礁」の「暗」は暗さではない

「暗礁」の「暗」は、光が乏しいという意味ではなく、隠れて見えないという意味で使われています。
同じ使い方は「暗渠あんきょ」(地下に隠した水路)や「暗躍」(人目につかないところで動き回ること)にも見られます。
海の上から確かめられるのは水面までで、岩がどこにあるかは近づくまで分かりません。
「暗礁」という名は、その見えなさをそのまま字にしたものです。

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