意味
「色気より食い気」は、二つの欲を「より」でつないで並べ、どちらが先に立つかを言った言い方です。
異性への関心よりも食べることが先だという意味から転じて、見栄を捨てて実利をとることのたとえにも使われます。
同じことを言う句に「花より団子」があります。
- 色気(いろけ):異性に対する関心や欲求。
- 食い気(くいけ):食べたいと思う気持ち。食欲。
語源・由来
「色気より食い気」は、特定の書物から生まれた言葉ではなく、話し言葉のなかで育った言い回しです。
「食い気」は食欲を指す言葉で、「色気」と対にして並べる形が古くから使われてきました。
使い方・例文
「色気より食い気」は、おしゃれや体裁よりも食べることを先にする様子を評する場面で使われます。
- 弟は色気より食い気で、出かける前でも大盛りを頼む。
- 花見に来たのに色気より食い気で、皆が弁当を開いている。
- 学生のころは色気より食い気で、安い定食屋に通いつめた。
類義語・関連語
「色気より食い気」と並べて語られる、食べることや実利を先に置く言葉には以下のようなものがあります。
- 花より団子(はなよりだんご):
美しい外見や風流よりも、実用的な利益や実質を重んじることのたとえ。 - 腹が減っては戦ができぬ(はらがへってはいくさができぬ):
空腹では十分な力が発揮できず、物事がうまくいかないこと。 - 思し召しより米の飯(おぼしめしよりこめのめし):
口先だけの好意や気遣いより、実際に役立つ物のほうがありがたいということ。
「色気より食い気」と「花より団子」の違い
「色気より食い気」と「花より団子」は、どちらも見栄や風流より実利をとることを表します。
違いは何と何を比べているかで、「色気より食い気」は異性への関心と食欲を、「花より団子」は花の眺めと団子を並べます。
| 語句 | 比べているもの | 先に立つもの |
|---|---|---|
| 色気より食い気 (いろけよりくいけ) | 異性への関心と食欲 | 食欲 |
| 花より団子 (はなよりだんご) | 花の眺めと団子 | 団子 |
「色気」が指すもう一つの欲
「色気」という言葉には、いくつもの意味があります。
「色気より食い気」で使われているのは、異性に対する関心や欲求という意味です。
社会的地位などに対する興味・関心を指すこともあります。
夏目漱石の『吾輩は猫である』(一九〇五〜〇六年)にも、「博士論文なんて無趣味な労力はやるまいと思ったら、あれでやっぱり色気があるからおかしいじゃないか」という一節が出てきます。









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