意味
「花より団子(はなよりだんご)」とは、美しいものを眺めて風流を楽しむよりも、実際に腹の足しになるものを手に入れることから、外見よりも実利や実質を重んじることのたとえです。
語源・由来
「花より団子」の「花」は花見の桜を、「団子」は花見の席の食べ物を指しています。
花見は古くから各地で行われていた民間の行事で、団子や酒がつきものでした。
江戸時代になると、花見は都市の周辺でも盛んに楽しまれるようになり、第八代将軍の徳川吉宗が飛鳥山などに桜を植えたことも江戸の庶民の花見を広めました。
人々は美しい桜を愛でる一方で、花見の席で団子を食べたり、酒を飲んだりする宴会を大いに楽しみました。
使い方・例文
「花より団子」は、名誉や美意識よりも、実用的な利益や物質的な満足を優先する場面で使われます。
- デートは夜景より焼肉を選ぶ花より団子な彼女だ。
- 見た目より機能性を重視した花より団子な商品設計だ。
類義語・関連語
「花より団子」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 色気より食い気(いろけよりくいけ):
恋愛や見た目の美しさよりも、食欲や実利を優先すること。 - 名を捨てて実を取る(なをすててみをとる):
表面上の名誉や見栄にはこだわらず、実質的な利益を選ぶこと。 - 義理張るより頬張れ(ぎりはるよりほおばれ):
世間体や義理を気にするよりも、まず自分の腹を満たすほうが良いということ。
対義語
「花より団子」と反対の意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 武士は食わねど高楊枝(ぶしはくわねどたかようじ):
どんなに貧しくとも、気位高く見栄を張ることのたとえ。 - 名を取る(なをとる):
表面上の名誉や体面を得ること。
英語表現
英語では、次の言い回しが「花より団子」にあたる表現として紹介されます。
Bread is better than the songs of birds
直訳は「鳥のさえずりよりもパンのほうがよい」で、風流より腹の足しを選ぶという「花より団子」とほぼ同じ組み立ての言い回し。
並べるものが桜と団子から、鳥の声とパンに置き換わった形。
He chose the practical gift because bread is better than the songs of birds.
(彼は実用的な贈り物を選んだ。花より団子である。)
「花より団子」、室町の俳諧から江戸のいろはかるたへ

室町時代の終わりごろにまとめられた俳諧集『新撰犬筑波集』(1532年ごろ)に、「花よりもだんごとたれか岩つつじ」という句が載っています。
「たれ」は「誰」のことで、「岩つつじ」の「いは」に「言は」(言う)が掛けてあり、「花よりも団子」と言う声を春の花の名に重ねた言葉遊びです。
江戸時代の後期に作られた江戸のいろはかるたでは、「は」の札が「花より団子」です。
室町の俳諧で言葉遊びに使われた「花より団子」は、江戸ではかるたの札になるほど広く知られた言葉になっていました。














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