「米」に関することわざ、慣用句、故事成語、四字熟語一覧

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米 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

私たち日本人にとって、最も身近な主食である「米」(こめ)。
古くから生活の中心にあったため、日本語には「米」そのものだけでなく、そこから生まれる「ご飯(飯)」「餅」にまつわる表現も数多く存在します。

今回は、「米」に由来する言葉はもちろん、「三度の飯」のような「ご飯」に関する慣用句や、「棚からぼたもち」といった「餅」のことわざも含めて、意味やシチュエーション別に整理して紹介します。
日常会話でよく使う言葉のルーツや正しい意味を、改めて確認してみましょう。

田んぼ
もくじ
  1. 成功・幸福・豊かさ
  2. 人生・教訓・戒め
  3. 仕事・生活・実利
  4. 人間関係・情熱
  5. エピソード:米と「八十八」
  6. まとめ

成功・幸福・豊かさ

努力が実ることや、幸運、価値あるものを表す言葉です。

一粒万倍(いちりゅうまんばい)

一粒の種籾(たねもみ)が実って、万倍もの米粒になること。
わずかな元手から非常に大きな利益が生じることのたとえです。
また、わずかな努力でも続けていけば大きな成果につながるという教えとしても使われます。
近年では、新しいことを始めるのに縁起が良い日として「一粒万倍日」が知られています。

実るほど頭を垂れる稲穂かな(みのるほどこうべをたれるいなほかな)

稲の穂は実が入ると重くなって垂れ下がることから、人間も学識や徳が深まるにつれて、かえって謙虚な振る舞いをするようになるという教え。
成功しても傲慢になってはいけないという戒めを含みます。

五穀豊穣(ごこくほうじょう)

米・麦・粟(あわ)・黍(きび)・豆などの主要な穀物が豊かに実ること。
豊作を願う言葉です。時代や地域によって「五穀」の内容は異なりますが、最も重要な作物である米は必ず含まれます。

餅は餅屋(もちはもちや)

餅を作るなら餅屋が一番上手であることから、何事もその道の専門家に任せるのが一番良いというたとえ。(餅はもち米から作られます)

棚からぼたもち(たなからぼたもち)

思いがけず幸運なことが舞い込んでくることのたとえ。棚の下で口を開けて寝ていたら、牡丹餅(ぼたもち)が落ちてきて口に入ったという滑稽な状況から生まれました。

赤飯を炊く(せきはんをたく)

もち米と小豆などで作る赤飯は、古くから祝い事の席で食べられてきました。
そこから、非常におめでたいことがあった時や、お祝いをすることを指して言います。

人生・教訓・戒め

生き方や世の中の真理を、米や稲作になぞらえた言葉です。

米百俵(こめひゃっぴょう)

目先の利益にとらわれず、将来のために投資することの尊さを説く故事。
戊辰戦争で敗れ困窮した長岡藩に、支藩から見舞いの米百俵が送られましたが、藩の大参事・小林虎三郎(こばやしとらさぶろう)は、それを藩士に分配して食べさせてしまうのではなく、学校建設の資金(売却益)に充てました。「教育こそが国を興す」というこの精神は、現在でも語り継がれています。

絵に描いた餅(えにかいたもち)

絵に描いた餅は、どんなに美味しそうでも食べることはできません。
そこから、実際には役に立たないものや、実現不可能な計画のたとえとして使われます。
「画餅(がべい)」とも言います。

糠に釘(ぬかにくぎ)

柔らかい糠(ぬか)に釘を打っても手応えがないことから、何を言っても効き目がないこと、少しも手応えがないことのたとえ。
暖簾に腕押し」と同じ意味です。
(糠は玄米を精米する際に出る粉です)

我田引水(がでんいんすい)

他人の迷惑を考えず、自分の田んぼにだけ水を引くこと。
自分に都合の良いように物事を進めたり、理屈をつけたりすることのたとえ。
手前味噌」と似ていますが、こちらはより自己中心的なニュアンスが強い言葉です。

五斗米の為に腰を折る(ごとべいのためにこしをおる)

中国の詩人・陶淵明(とうえんめい)の故事。わずかな給料(五斗の米)をもらうために、納得のいかない相手にペコペコと頭を下げることを嫌い、役人を辞めて帰郷したという話から。
生活のために自身の誇りや信念を曲げることの屈辱、あるいはそうした束縛を嫌う気概を表します。

糠喜び(ぬかよろこび)

あてが外れて、一時的な喜びに終わること。喜んだ後にがっかりする状況を指します。

米食った犬が叩かれずに糠食った犬が叩かれる
(こめくったいぬがたたかれずにぬかくったいぬがたたかれる)

米(高価なもの)を盗み食いした犬は罰せられず、糠(安価なもの)を食べた犬が罰せられること。
大きな悪事をした者が見逃され、小さな罪の者が罰を受けるという、世の中の不条理を嘆くことわざです。

仕事・生活・実利

生計を立てることや、仕事、貧富、家計に関する言葉です。

新米(しんまい)

その年に収穫された新しいお米のこと。
転じて、職場や業界に入ったばかりの新人や、未熟な人のことを指します。
「新米教師」「新米ママ」のように使われます。
対義語は「古米(こまい)」ですが、人物に対して使われることは稀で、一般的にベテランと呼びます。

飯の種(めしのたね)

生活していくための収入を得る手段。職業や商売、あるいは利益を生み出すネタのこと。
「飯」は生活の糧の象徴です。

青田買い(あおたがい)

本来は、稲が実る前の青田のうちに収穫量を見越して買い取ること。
転じて、企業が卒業前の学生を早めに採用内定することや、将来性のある人物や作品を無名の段階で確保することを指します。

思し召しより米の飯(おぼしめしよりこめのめし)

人からの好意(思し召し)や情けもありがたいが、それよりも実際に腹の足しになる「米の飯」の方がありがたいということ。
名誉や建前よりも、実利を選ぶことのたとえ。「花より団子」と同じ意味です。

早飯早糞芸のうち(はやめし はやぐそ げいのうち)

食事や用便が早いことは、それだけで一つの芸(特技)と言えるほど有益であるということ。
昔の奉公人や武士は、有事の際にすぐ動けるよう、食事や用便を素早く済ませることが美徳とされていたことに由来します。

有る時は米の飯(あるときはこめのめし)

お金がある時は白いご飯を食べて贅沢をするが、なくなると惨めな食事になること。
計画性がなく、金遣いが荒いことのたとえとして使われます。

米塩の資(べいえんのし)

生活していく上で最低限必要な費用や物資のこと。
昔は米と塩が生活必需品の代表であったことからこう呼ばれます。

米櫃を握る(こめびつをにぎる)

家計の中心である米びつ(米を保存する容器)を管理することから、家計の実権や財布の紐を握ることを意味します。

千石万石も米五合(せんごくまんごくもこめごんごう)

どんなに多くの領地を持つ大名でも、一日に食べる米の量はせいぜい五合程度であるということ。
富の多さに関わらず人間の必要な量は限られているのだから、欲張る必要はないという「足るを知る」教えです。

年貢の納め時(ねんぐのおさめどき)

悪事を続けてきた者が捕まったり、物事を諦めて観念したりする時期。
かつて農民が領主に年貢(米)を納めたことから、転じて使われるようになりました。

米を数えて炊ぐ(こめをかぞえてかしぐ)

米粒を一つ一つ数えて炊くほどに、極端にけちであること、または非常に貧しいことのたとえ。
「炊しぐ(かしぐ)」とは米を炊くことです。

人間関係・情熱

食事を共にすることや、他者との関係性、個人の性質を表す言葉です。

同じ釜の飯を食う(おなじかまのめしをくう)

生活を共にし、同じ食事をして苦楽を分かち合った親しい仲のこと。
単なる同居人ではなく、強い連帯感や仲間意識を含んだ表現です。

三度の飯より好き(さんどのめしよりすき)

朝・昼・晩の食事(三度の飯)を食べるのを忘れてしまうほど、ある物事に熱中していること。
それほど大好きであるという、没頭や熱意を表す定番の言い回しです。

糟糠の妻(そうこうのつま)

貧しい時代から夫を支え、苦労を共にしてきた妻のこと。
「糟糠」とは酒粕(さけかす)と米糠(こめぬか)のことで、粗末な食事の代表です。
中国の故事に由来し、「糟糠の妻は堂より下さず(立身出世しても妻を粗末にしてはいけない)」と続きます。

冷や飯を食う(ひやめしをくう)

冷遇されること。自分だけ温かいご飯をもらえず、冷えたご飯を出されるような扱いを受けることから。
会社で閑職に追いやられることなどを「冷や飯を食わされる」と言います。

日常茶飯事(にちじょうさはんじ)

お茶を飲みご飯を食べるように、ごくありふれた普通のこと。
「茶飯事(さはんじ)」とも言います。

内の米の飯より隣の麦飯(うちのこめのめしよりとなりのむぎめし)

自分の家の上等な白米よりも、隣の家の粗末な麦飯の方が美味しそうに見えること。
自分のものより他人のものの方がよく見えるという心理で、「隣の芝生は青い」や「花より団子(の『思し召しより米の飯』とは逆の心理)」に近い意味を持ちます。

巧婦も無米の炊ぎは難し(こうふもむべいのかしぎはかたし)

どんなに料理上手な女性でも、米がなければご飯を炊くことはできない。
どれほど優れた才能があっても、材料や条件が整わなければ力を発揮できないという中国のことわざです。

エピソード:米と「八十八」

最後に一つ、漢字にまつわる豆知識を紹介します。
「米」という漢字を分解すると、「八」「十」「八」になります。
このことから、お米を作るには「八十八回」もの手間がかかる、と言われています。
「米」という字には、種まきから収穫まで、農家の方がかける膨大な苦労と愛情が込められているのです。

まとめ

「米」にまつわる言葉は、仕事の成功から人間関係、日々の戒めまで、驚くほど幅広い場面で使われています。それだけ米が、私たちの生活の中心にあったという証拠でしょう。

ビジネスシーンで「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を思い出したり、親しい関係を「同じ釜の飯」と表現したり。
状況に合わせてこれらの言葉を使い分けることで、会話にちょっとした深みや温かみを添えることができるはずです。

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