意味
「善男善女」は、仏法に帰依した男女、また一般に信心深い人々を指します。
寺に参る人たちをひとまとめに呼ぶときにも使われ、信者の通称としても用いられます。
- 善男(ぜんなん):仏法に帰依した男子。
- 善女(ぜんにょ):仏法に帰依した女子。
語源・由来
「善男善女」は、仏教の経典で信仰する人を呼ぶことばとして日本に伝わりました。
平安時代の『三宝絵』(984年)に「伝戒乞戒を請し善男善女をあつめたり」というくだりが出てきます。
戒律を授ける法会に人々を集めた、という場面で使われています。
使い方・例文
「善男善女」は、寺社に大勢の参拝者が集まっているようすを述べる場面で使われます。
- 初詣の境内は善男善女で足の踏み場もなかった。
- 御開帳の日は朝から善男善女が長い列をつくった。
- 山門をくぐる善男善女の顔はどれも晴れやかだ。
類義語・関連語
「善男善女」のように、大勢の人をひとまとめにして呼ぶ言葉には以下のようなものがあります。
- 善男子善女人(ぜんなんしぜんにょにん):
経典で信仰する男女を呼ぶときの言い方。 - 老若男女(ろうにゃくなんにょ):
老人も若者も、男も女も含めたあらゆる人。 - 有象無象(うぞうむぞう):
取るに足りない、雑多な人々の集まり。
「善男善女」と「老若男女」の違い
どちらも男女を並べて大勢の人を指しますが、人をくくる基準が違います。
「善男善女」は信仰という共通点で人をくくり、「老若男女」は年齢も性別も問わないことを示します。
| 語句 | くくる基準 | よく使う場面 |
|---|---|---|
| 善男善女 (ぜんなんぜんにょ) | 信仰 | 寺社に参る人々 |
| 老若男女 (ろうにゃくなんにょ) | 年齢と性別を問わない | 誰でも参加できる催し |
英語表現
worshippers
寺や教会など、礼拝の場に集まった人々を指す言い方。
The temple was filled with worshippers on New Year’s Day.
(元日、その寺は参拝の人々でいっぱいでした。)
もとは「良家の子」を指すことば
「善男善女」のもとになったサンスクリット語は kulaputra と kuladuhitṛ で、良家の男子・良家の女子という意味です。
信仰の深さではなく、生まれた家を指すことばだったわけです。
経典の漢訳では「善男子善女人」の形で出てくることが多く、過去の善い行いの積み重ねによって仏の教えを聞くことのできた人を指す場合もあります。
「善男」は仏法に帰依した男子、「善女」は仏法に帰依した女子で、それぞれ単独でも使われます。









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