意味
「喧々囂々」は、「喧々囂々たる」「喧々囂々と」の形にして、その場の騒がしさを言い表すのに使います。
大勢の人がやかましく騒ぎたてるさまを表します。
- 喧喧(けんけん):やかましい様子。
- 囂囂(ごうごう):声や音の騒がしい様子。
語源・由来
「喧々囂々」は、やかましさを表す二つのことばを重ねた組み立てです。
木下尚江の小説『火の柱』(1904年)では、ランプの下に八、九歳から十二、三歳の少年少女が二十人あまり集まって騒いでいる場面に使われています。
戦後の文章では、石川達三の『風にそよぐ葦』(1949〜51年)に「会社でも工場でも、官庁でさえも、職場大会がひらかれて、喧々囂々、にぎやかなはなしだ」という一節があります。
使い方・例文
「喧々囂々」は、大勢が口々にものを言い、収拾がつかなくなった場面で使われます。
- 値上げの発表に、会場は喧々囂々となった。
- 保護者会は喧々囂々で、何も決まらないまま終わった。
- 監督の交代をめぐって、掲示板は喧々囂々の騒ぎだ。
「喧々諤々」という言い方
「喧々囂々」とよく似た形に「喧々諤々(けんけんがくがく)」があります。
これは「喧々囂々」と「侃々諤々(かんかんがくがく)」とが混同されてできた語で、大勢の人がくちぐちに意見を言って騒がしいさまを指します。
混同から生まれた形ですが、いまでは一つの語として扱われており、坂口安吾の『青鬼の褌を洗ふ女』(1947年)にも「ケンケンガクガク」という形で出てきます。
類義語・関連語
「喧々囂々」と同じように、大勢が声を上げてやりとりしているようすを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 侃々諤々(かんかんがくがく):
正しいと思うことを堂々と主張し、盛んに議論すること。 - 喧々諤々(けんけんがくがく):
大勢がくちぐちに意見を言って騒がしいこと。 - 口角泡を飛ばす(こうかくあわをとばす):
興奮して唾を飛ばすほど激しく議論すること。
「喧々囂々」と「侃々諤々」の違い
どちらも大勢が声を上げている場を表すため入れ替わりやすい言葉ですが、見ているところが違います。
「喧々囂々」は声のやかましさそのものを言い、何を話しているかは問いません。「侃々諤々」は、遠慮なく正しいと思うことを言い合う中身のほうを指します。
| 語句 | 指すもの | 話の中身 |
|---|---|---|
| 喧々囂々 (けんけんごうごう) | 声のやかましさ | 問わない |
| 侃々諤々 (かんかんがくがく) | 遠慮のない主張と議論 | 正しいと思うこと |
英語表現
hubbub
大勢の人が声を上げてできる、入り交じったやかましい音を指す言い方。
We could not hear the chairman over the hubbub in the hall.
(会場のざわめきで、議長の声は聞き取れませんでした。)
in an uproar
場が騒然となって収まりがつかない状態を表す言い方。
The whole office was in an uproar after the announcement.
(発表のあと、事務所じゅうが騒然となりました。)
音を重ねてつくる四字熟語
「喧々囂々」は、同じ字を二つ重ねた語を、さらに二つ並べた形をしています。
同じ組み立てのものに「戦々恐々」「正々堂々」「津々浦々」があります。
同じ形の「侃々諤々」も、擬音を表す漢語からできたことばです。
漢字を知らないままでも「会議でカンカンガクガクやっていた」のように使われ、「かんかんに怒る」「がくがく震える」と同じような日常の擬音に近づいているとみられます。









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