四字熟語

坐作進退

(ざさしんたい)

日常の立ち居振る舞いや、行儀作法のこと。

異形:座作進退

6文字の言葉さ・ざ」から始まる言葉
坐作進退 ことば
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意味

「坐作進退」は、座る・立つ・進む・退くという四つの動作をひとまとめにして、人の立ち居振る舞い全般を言い表す言葉です。武道や茶道など、型を重んじる場での所作を評する際に使われることが多く、だらしない動きを戒めるような、少し改まった響きを持ちます。

  • (ざ):座ること。
  • (さ):立ち上がること。
  • (しん):進むこと。
  • 退(たい):退くこと。

語源・由来

「坐作進退」は、中国古代の制度をまとめた『周礼(しゅらい)』の一節に登場する言葉です。

『周礼』の「夏官・大司馬」には、軍を統率する役人の務めとして、次のような一節が出てきます。

「教二坐作進退、疾徐疎数之節一」
(兵士に、座る・立つ・進む・退くという動作と、行軍の速さや隊列の間隔の加減を教え込む)

つまり「坐作進退」は、もともと軍隊で兵士の動きをそろえるための号令として使われた言葉でした。時代が下るにつれて対象は兵士に限らなくなり、宮中や武家の礼法、さらには日常生活における立ち居振る舞い全般を指す言葉として使われるようになりました。

使い方・例文

「坐作進退」は、礼儀作法や所作の美しさが問われる場面で使われます。

  • 茶道の稽古では、一つひとつの坐作進退まで細かく指導される。
  • 面接では話す内容だけでなく、坐作進退にも品性が表れる。
  • 剣道の道場では、礼に始まり礼に終わる坐作進退が重んじられる。

類義語・関連語

「坐作進退」と同じく、人の動作や振る舞い全体を表す言葉には、次のようなものがあります。

  • 挙措動作(きょそどうさ):立ち居振る舞いや、ちょっとした身のこなし。
  • 立ち居振る舞い:日常生活における体の動かし方や、その様子。

「坐作進退」と「挙措動作」の違い

どちらも人の動作全般を指しますが、由来と使われる場面に違いがあります。「坐作進退」は軍事教練の号令に由来し、型や作法を重んじる文脈で使われるのに対し、「挙措動作」は日常のちょっとした仕草も含めた、より広い場面で使われます。

語句由来使われる場面
坐作進退
(ざさしんたい)
軍事教練の号令礼法・型を重んじる場
挙措動作
(きょそどうさ)
日常の仕草全般日常会話・人物評

英語表現

deportment

やや堅い語ではあるものの、「立ち居振る舞い」を指す表現として坐作進退に最も近い、かしこまった文脈で使われる表現。

She was praised for her elegant deportment at the ceremony.
(彼女は式典での上品な坐作進退を称賛された。)

bearing

姿勢や物腰全体からにじみ出る品格を表す語で、坐作進退が持つ「型の美しさ」に通じる表現。

He carried himself with a dignified bearing.
(彼は威厳のある坐作進退で振る舞った。)

隊列の速さと間隔をそろえる号令

坐作進退が記された『周礼』の一節には、続けて「疾徐疎数」という言葉も並んでいます。疾(しつ)は速い動き、徐(じょ)は遅い動き、疎(そ)は隊列の間隔を広くとること、数(さく)は間隔を詰めることを指す文字です。つまり古代中国の軍事教練では、兵士一人ひとりの立ち座りや前進・後退だけでなく、部隊全体の速度や隊列の密度までもが号令の対象でした。個人の所作と集団の隊形は、もともと同じ訓練の中で一体のものとして教え込まれていたことになります。

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