意味
荒れ狂って逆巻く大波の様子から、世の中や物事の秩序が激しく乱れ、収拾のつかない状態になることを表す四字熟語です。
のどかな日常とは対照的な、切迫した緊張感を伴う場面で使われます。
- 狂瀾(きょうらん):
怒り狂ったように荒れ狂う大波。 - 怒濤(どとう):
激しい勢いで押し寄せる大波。
語源・由来
「狂瀾」は、唐の時代の文人である韓愈の文章「進学解」に見える言葉で、荒れ狂う大波を指しています。
一方の「怒濤」も同じく荒れ狂う波を表す言葉で、意味の近い二つの言葉を重ねることで、混乱の激しさをより強調した表現になっています。
四字の形としては中国の古典に一つの決まった出どころがあるわけではなく、日本で近代以降にこの二語を組み合わせて定着したとみられます。
明治時代の評論や小説にも使われており、政治や社会の混乱を語る言葉として書き言葉に根づいていきました。
使い方・例文
「狂瀾怒濤」は、政治情勢や経済、時代の転換期など、大きな物事が激しく乱れ動く様子を語る場面で使われます。
- 革命後の国内は、まさに狂瀾怒濤の混乱に包まれた。
- 業界の勢力図は、狂瀾怒濤のごとく塗り替えられていった。
類義語・関連語
「狂瀾怒濤」と同様に、物事が激しい勢いで乱れ動く様子を表す言葉には、次のようなものがあります。
「狂瀾怒濤」と「疾風怒濤」の違い
どちらも「怒濤」を含み荒々しい変動を表しますが、視点の置き方が異なります。
「狂瀾怒濤」は乱れた状態そのものの激しさを描くのに対し、「疾風怒濤」は変化が起こる速さや勢いに重点があります。
| 語句 | 重点 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 狂瀾怒濤 | 秩序が乱れる激しさ | 政治・社会情勢 |
| 疾風怒濤 | 変化が起こる速さ | 時代の転換・青年期 |
対義語
「狂瀾怒濤」と反対に、穏やかで秩序が保たれている様子を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 平穏無事(へいおんぶじ):
これといった変化もなく、穏やかで無事な様子。
韓愈が『進学解』で使った「荒れ狂う大波」
「狂瀾怒濤」の「狂瀾」は、8世紀から9世紀にかけて活躍した唐代の文人・韓愈の文章「進学解」に見える言葉です。
「既に倒れかけている荒れ狂う大波を、もとの流れに戻す」という意味の「狂瀾を既倒に廻らす」という言い回しも、同じ文章に由来します。
衰えて崩れかけていた物事を立て直すことのたとえとして使われたこの表現が、後に同じ「荒れ狂う波」を意味する「怒濤」と組み合わされ、「狂瀾怒濤」という四字熟語が生まれました。









コメント