意味
「経世済民(けいせいさいみん)」とは、政治によって世の中を治め、人々の暮らしの苦しみを救うことです。
- 経世(けいせい):世の中を治めること。
- 済民(さいみん):民を苦しみから救うこと。
語源・由来
この四字熟語は、中国の古典に見える言い回しに由来します。
4世紀の中国の書物『抱朴子』には、ほぼ同じ意味の「経世済俗」が出てきます。
儒学者の務めを述べたくだりで、世の中を治め人々を救うという意味で使われています。
使い方・例文
「経世済民」は、政治や経済政策の理念を語るときに、改まった文章や演説で使われる言葉です。
- 彼は経世済民の志を胸に、貧しい人々の暮らしを支える政策づくりに生涯をささげた。
- 飢饉に苦しむ領民のために年貢を減らした藩主は、経世済民を実践した名君として語り継がれている。
2026年10月には、高市早苗首相が所信表明演説で「私が貫く志は、『経世済民』です」と述べました。
類義語・関連語
国を治め民を安んじる理念を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 救世済民(きゅうせいさいみん):
世の人々を苦しみから救うこと。 - 富国安民(ふこくあんみん):
国を豊かにし、民を安らかにすること。 - 治国平天下(ちこくへいてんか):
国を治め、天下を平和にすること。儒学の経典『大学』にある「修身斉家治国平天下」の後半。
対義語
民を苦しめる政治のあり方を表す言葉に、次のものがあります。
- 苛政は虎よりも猛し(かせいはとらよりもたけし):
厳しく民を苦しめる政治は、人食い虎よりも恐ろしいということ。
経世済民から生まれた「経済」
経世済民を縮めた「経済」は、江戸時代にはもとの四字熟語と同じ意味で使われていました。
儒学者の太宰春台は『経済録』で、「経済」とは天下国家を治めて民を救うことだと説明しています。
江戸時代の後半になると、「経済」はお金やものの流れを指す意味でも使われるようになります。
幕末の1862年に出た英和辞書には、英語の political economy の訳語として「経済学」が載りました。
同じころ福沢諭吉も「経済」の語を使い、今の意味が広まったとされます。
この新しい意味の「経済」は、のちに経世済民を生んだ中国にも逆に伝わっていきます。










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