意味
「脇が甘い」とは、守りの意識が甘く、そこを突かれる弱点があるという意味です。
本人に悪意がなくても、守りの手薄さや無防備な態度そのものが弱点として指摘される場面で使われます。
語源・由来
「脇が甘い」は、相撲の技術を語る言葉として使われてきました。
相撲で四つに組むとき、脇をしっかり締めて肘を体に寄せていないと、相手にまわしを取られたり、有利な体勢を許したりしてしまいます。
この、脇の締めが不十分で崩れやすい体勢を指した言葉が、相撲の枠を超え、警戒や準備が足りず弱点を突かれやすい状態全般を指す言い方として使われるようになりました。
使い方・例文
「脇が甘い」は、相撲の体勢だけでなく、仕事や交渉、情報管理など、隙を突かれやすい状況全般で使われます。
- 契約書の細部を確認しないなんて、あまりに脇が甘い。
- 有力候補ほど、報道陣への対応が脇が甘くなりがちだ。
類義語・関連語
「脇が甘い」と同じように、注意や用心が足りない様子を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 詰めが甘い(つめがあまい):
物事の最終段階での確認や仕上げが不十分なこと。
「脇が甘い」と「詰めが甘い」の違い
どちらも「甘さ」を指摘する言葉ですが、甘さの所在が異なります。
「脇が甘い」は日頃の警戒や構えそのものに隙があることを指すのに対し、「詰めが甘い」は物事を最後までやり切る段階での仕上げの甘さを指します。
| 語句 | 甘さの所在 | 場面 |
|---|---|---|
| 脇が甘い (わきがあまい) | 日頃の警戒・構え | 隙を突かれる場面全般 |
| 詰めが甘い | 物事の仕上げ・最終確認 | 完成間際のミス |
対義語
「脇が甘い」とは反対に、警戒が行き届き、つけ込む隙がない様子を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 隙がない(すきがない):
警戒や準備が行き届き、つけ込む余地がないこと。
英語表現
leave oneself open
直訳は「自分を開いたままにする」。
警戒を怠り、攻撃や批判を受けやすい状態を作ってしまうことを表す表現。
That comment left him open to criticism.
(あの発言のせいで、彼は批判につけ込まれる脇が甘い状態になった。)
drop one’s guard
直訳は「構えを下げる」。
ボクシングで防御の姿勢を崩すことから、警戒を緩めて油断する様子を表す表現。
Don’t drop your guard just because the deal looks settled.
(取引がまとまりそうに見えても、脇が甘くなってはいけない。)
相撲の「脇が甘い」は相手の差し手を許すこと
土俵の上で脇が甘いと許してしまうのは、相手の「差し手」です。
差し手とは、相手の脇の下に腕を差し入れることです。
両腕とも差し入れた「もろ差し」は、相手を制しやすい有利な体勢とされます。
1913年(大正2年)の『古今相撲評話』には、明治の横綱大砲が、同じく明治の横綱常陸山との一番で、「兩腋を締めて敵の差手を豫防しながら」(両脇を締めて、相手の差し手を防ぎながら)突いて出た様子が書かれています。
このときは常陸山が身をかわし、大砲は土俵を割りました。
大砲が両脇を締めたのは、相手の腕を脇の下に入れさせないためでした。
「脇が甘い」は、この締めが緩み、相手の差し手が入る隙のある構えを指す言葉です。










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