意味
「諸説紛々(しょせつふんぷん)」とは、さまざまな見方や説が飛び交って、収拾がつかなくなっているという意味です。
単に意見が分かれているだけでなく、どれが正しいのか収拾がつかない、という混乱した様子を伝える言葉です。
- 諸説(しょせつ):いろいろな説、意見。
- 紛々(ふんぷん):物事が入り乱れているさま。
語源・由来
「諸説紛々」は、いろいろな説を意味する「諸説」と、乱れもつれる様子を表す「紛々」を組み合わせた四字熟語です。
「紛」は物事が入り乱れるという意味の字で、これを重ねた「紛々」で、説が入り乱れて真相が見えない様子を言い表しています。
使い方・例文
「諸説紛々」は、ある物事の原因や真相について、意見が分かれてまとまらない場面で使われます。
- その事件の真相については、専門家の間でも諸説紛々としている。
- この城がいつ築かれたのかは諸説紛々で、はっきりしない。
類義語・関連語
この言葉と近い意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 百家争鳴(ひゃっかそうめい):
多くの人がそれぞれ自由に意見を述べ合うこと。
「諸説紛々」と「百家争鳴」の違い
どちらも意見が数多く出る様子を表しますが、ニュアンスの向きが異なります。
| 語句 | 意味 | 響き |
|---|---|---|
| 諸説紛々 (しょせつふんぷん) | 意見が入り乱れ、まとまらない。 | 混乱・収拾がつかない印象。 |
| 百家争鳴 (ひゃっかそうめい) | 多くの人が活発に意見を述べる。 | 議論の活発さを評価する印象。 |
対義語
「諸説紛々」とは反対に、皆の意見が一致することを表す言葉があります。
- 異口同音(いくどうおん):
多くの人が口をそろえて同じことを言うこと。
英語表現
opinions are divided
直訳は「意見が分かれている」で、物事の見方が人によって割れている様子を表す言い回し。
Opinions are divided on the cause of the accident.
(その事故の原因については諸説紛々だ。)
芥川『河童』の幽霊も「諸説紛々」
芥川龍之介の小説『河童』(1927年)に、「諸説紛々」が登場します。
河童の国で自殺した詩人トックの幽霊が霊媒の夫人に乗り移り、心霊学協会の会員たちの質問に答えるという、協会の報告の一節です。
「諸君の生命は永遠なりや?」と問われたトックは、次のように答えます。
「我らの生命に関しては諸説紛々として信ずべからず。幸いに我らの間にも基督教、仏教、モハメット教、拝火教等の諸宗あることを忘るるなかれ。」
死後の生命について宗教ごとに説が分かれ、どれが本当かは分からない、という意味で使われています。










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