意味
「お株を奪う(おかぶをうばう)」とは、ある人が得意とすることを、別の人がうまくやってのけるという意味です。
- 株:その人だけが持つ、得意な技や地位。
語源・由来
「株」は、江戸時代の同業者組合である株仲間で、営業する権利を指した言葉です。
株仲間では、幕府や藩の許可を得た者だけがその「株」を持って商売を営むことができました。
「株」には、この特権の意味のほかに、その人特有の癖や得意なわざという意味もあり、今はこの意味を「お株」の形で使います。
使い方・例文
- 新人がベテランのお株を奪う鮮やかな手さばきを見せた。
- 長年の主力を差し置き、後輩がお株を奪う活躍をした。
- 弟子が師匠のお株を奪う見事な腕前を披露した。
類義語・関連語
この言葉と同様に、相手を出し抜く様子を表す言葉に、「鼻を明かす」があります。
「お株を奪う」と「鼻を明かす」の違い
どちらも相手を出し抜く場面で使われますが、対象に違いがあります。
「お株を奪う」は相手が得意とすることを、別の人がうまくやってのけることを指すのに対し、「鼻を明かす」は得意技に限らず、相手の油断や思い込みを出し抜いてあっと言わせることを広く指します。
| 語句 | 対象 | ニュアンス |
|---|---|---|
| お株を奪う (おかぶをうばう) | 相手の得意技・持ち味 | 得意なわざをうまくやってのける |
| 鼻を明かす (はなをあかす) | 相手の油断・思い込み | 出し抜いて驚かせる |
英語表現
steal someone’s thunder
「〜の手柄や注目される場面を横取りする」という意味の表現で、得意な見せ場を先に奪われる状況を伝えるフレーズ。
He stole my thunder by announcing the news first.
(彼が先にその知らせを発表して、私のお株を奪った。)
「お株が始まる」はいつもの癖
「お株を奪う」の「お株」は得意なわざのことですが、「またお株が始まった」と言うと、その人のいつもの癖がまた出たという意味になります。
徳田秋声の小説『足迹』(1910年)にも、「又母親のお株が始まったのだと思った」という一文があります。









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