意味
「付かぬ事(つかぬこと)」とは、それまでの話とは関係のない、だしぬけの事柄のことです。
多くは「付かぬ事を伺いますが」「付かぬ事をお尋ねしますが」という形で、話題を変えるときの前置きとして使います。
- 付か(つか):動詞「付く」の未然形で、ここでは関係する、筋がつながるという意味。
- ぬ:打ち消しの意味を表す助動詞「ず」の連体形。
語源・由来
「付く」という動詞には、物と物がくっつくという意味のほかに、物事のつながりや筋道が通っているという意味があります。
「付かぬ事」は、この「付く」を「ぬ」で打ち消した言葉で、文字どおりには「それまでの話とつながりの無い事柄」を指します。
今しゃべっていることとは無関係な話題を持ち出すときに、相手への断りとして「付かぬ事ですが」と前置きする使い方が定着しました。
使い方・例文
- 付かぬ事をお尋ねしますが、明日のご予定は空いていますか。
- ところで、付かぬ事を伺いますが、あの件はどうなりましたか。
誤用・注意点
文化庁の令和6年度「国語に関する世論調査」では、本来の「それまでの話と関係のないこと」と答えた人が45.6パーセント、「些細でつまらないこと」と答えた人が41.6パーセントで、差はわずか4ポイントでした。
本来の意味を知っている人がやや多いものの、拮抗した結果です。
「付かぬ事」は、話の内容が些細かどうかではなく、それまでの話とのつながりが無いことを表す言葉です。
重要な質問であっても、話の流れと無関係であれば「付かぬ事」と前置きして構いません。
類義語・関連語
「付かぬ事」と同じように、話や出来事のだしぬけな様子に関わる言葉には次のものがあります。
- 唐突(とうとつ):
前触れもなく、急に何かが起こる様子。 - 藪から棒(やぶからぼう):
前後の脈絡なしに、だしぬけに物事を行ったり話を持ち出したりすること。
「付かぬ事」と「唐突」「藪から棒」の違い
どれも話や出来事の唐突さに関わる言葉ですが、指すものが異なります。
「付かぬ事」は自分から話題を変える際の前置きの言葉で、「唐突」は出来事や言動そのものが急である様子を表します。
「藪から棒」は、だしぬけに別の話を持ち出された側が、驚きや困惑を込めて言うことの多い言葉です。
| 語句 | ニュアンス |
|---|---|
| 付かぬ事 (つかぬこと) | 話題を変える際に、相手へ断る前置きの言葉 |
| 唐突 (とうとつ) | 前触れの無い出来事や言動そのものの様子 |
| 藪から棒 (やぶからぼう) | だしぬけに話を持ち出された側から見た、脈絡の無さ |
英語表現
英語では、次のような言い方でこの前置きを表します。
by the way
話題を転換するときの前置きとして使う、最も一般的な言い方。
By the way, do you have plans for tomorrow?
(付かぬ事ですが、明日のご予定は空いていますか。)
a random question
それまでの話とは脈絡の無い、唐突な質問を指す、くだけた会話での言い方。
Can I ask you a random question?
(付かぬ事を伺いますが、よろしいですか。)









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