意味
「雑魚寝(ざこね)」とは、場所や順序を分けず、大勢が一つ所に入り交じって眠るという意味です。
神社の祭礼の夜に、大勢が一つの場所に集まって夜を明かした、古い習わしを指すこともあります。
- 雑魚(ざこ):色々な種類が入り混じった小魚。地位の低い者もいう。
語源・由来
「雑魚寝」は、色々な種類の小さな魚が入り交じった「雑魚(ざこ)」に、「寝る」を組み合わせてできた言葉です。
「雑魚」は「ざっこう(雑喉)」という言葉の音が変化してできたという説があり、小さな魚が種類を問わず入り混じっている様子から、取るに足りない人やものをたとえる言葉としても使われるようになりました。
その「雑魚」のように、大勢の人が場所や身分の隔てなく入り交じって寝る様子を、「雑魚寝」と呼ぶようになったとみられます。
江戸時代には、節分の夜に大勢の男女が神社に集まって夜を明かす風習も、雑魚寝と呼ばれました。
中でも、京都・大原の江文神社で行われていた雑魚寝はよく知られ、井原西鶴の『好色一代男』(1682年)には、次のように登場します。
まことに今宵は、大原の里のざこ寝とて
(本当に今夜は、大原の里で行われる雑魚寝だと言って)
大和の十津川(奈良県)など、他の地域の神社にも同じような風習があったと伝えられています。
また、上方(京都・大阪)の花柳界で、数人の客と芸者が一室に入り交じって寝ることも、雑魚寝と呼ばれました。
使い方・例文
修学旅行の宿や災害時の避難所など、大人数が一部屋にまとまって休む場面で使われます。
- 大部屋に布団を並べ、クラス全員で雑魚寝することになった。
- 台風の夜、避難所の体育館では家族連れが雑魚寝して過ごした。
- 飲み会のあと、酔った友人たちはそのまま床で雑魚寝した。
大原の雑魚寝、始まりは村を襲った大蛇の言い伝え
大原の雑魚寝には、行事が始まった理由を伝える言い伝えが残っています。
むかし、近くの淵に住み着いた大蛇がたびたび村人に危害を加えたため、村の男女が江文神社の社殿に集まって身を隠し、夜を明かしたのが始まりだという話です。
この行事は江文神社の拝殿でかつて節分の夜に行われていましたが、今は行われていません。

コメント