【特集】「社会の不条理や矛盾」に関することわざ・慣用句・故事成語・四字熟語一覧

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「社会の不条理や矛盾」に関することわざ・慣用句・故事成語・四字熟語一覧 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

真面目に努力している人が損をして、要領の良い人が得をする。正しいことを言っているはずなのに、大きな力の前ではかき消されてしまう。日々の生活の中で、そんなやるせない思いを抱えることは珍しくありません。

昔の人々もまた、こうした「社会の不条理や矛盾」に悩み、憤り、時には諦めの境地でそれらを受け入れてきました。

ここでは、世の中の理不尽さや、ままならない現実を表すことわざ・四字熟語・慣用句を、シチュエーション別に整理して紹介します。
先人たちが残した言葉は、現代社会を生き抜くための教訓や、心の重荷を少しだけ軽くするヒントになるかもしれません。

もくじ
  1. 正義が通らない・悪が栄える
  2. 権力や力関係への諦め
  3. 善意や努力が報われない
  4. 欺瞞(ぎまん)・隠蔽
  5. 「矛盾」の語源・由来
  6. 英語表現
  7. まとめ

正義が通らない・悪が栄える

まずは、誰もが一度は感じる「正しさが報われない」「力のある者がルールを決める」という理不尽さを表す言葉です。

正直者が馬鹿を見る(しょうじきものがばかをみる)

ルールを守り、誠実に生きている人がかえって損をし、ずる賢い人が得をするという世の中の不条理を嘆く言葉です。
決して「正直者であるな」という教えではなく、世の中の曲がった側面を鋭く指摘した表現です。

無理が通れば道理引っ込む(むりがとおればどうりひっこむ)

筋道の通らないこと(無理)が権力や暴力によってまかり通るようになると、正しいこと(道理)が行われなくなってしまうという意味。
秩序が乱れた社会や組織の状況を批判する際によく使われます。

勝てば官軍、負ければ賊軍(かてばかんぐん、まければぞくぐん)

戦いに勝ったほうが正義(官軍)となり、負けたほうが悪(賊軍)として扱われること。
善悪の基準さえも勝敗や権力によって書き換えられてしまう、歴史や社会の冷徹な側面を表します。

憎まれっ子世に憚る(にくまれっこよにはばかる)

人から憎まれるような乱暴者や厚かましい人に限って、世の中で幅を利かせて威勢よく振る舞っている様子。
悪人が栄える理不尽さを皮肉った言葉ですが、同時に「他人の思惑など気にしない図太さが出世には必要」という逆説的な解釈をされることもあります。

盗人にも三分の理(ぬすびとにもさんぶのり)

どんなに明らかな悪事を働いた者であっても、それなりの理由や言い分があるということ。
理不尽な弁解を聞かされた時に、「屁理屈だ」と呆れるニュアンスで使われることが多い言葉です。

権力や力関係への諦め

個人の力ではどうにもならない、組織の論理や力関係。これらに直面した時の「諦め」や「処世術」を説く言葉です。

泣く子と地頭には勝てぬ(なくことじとうにはかてぬ)

道理の通じない相手や、権力者には従うしかないというたとえ。
「地頭」とは、鎌倉・室町時代に土地の管理や徴税を行っていた役人のこと。
横暴な地頭と、聞き分けのない子供はどうにもならない存在の代表でした。

長いものには巻かれろ(ながいものにはまかれろ)

目上の人や勢力のある相手には、無理に逆らわず従っておいたほうが無難であるという処世術。
現代でも、会社組織などで自らの意志を曲げて同調する際によく使われます。

寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ)

どうせ頼るならば、力のあるしっかりした者の庇護(ひご)を受けるのが安全で得策だということ。
身の安全や利益を優先する計算高い心理を表すこともあれば、弱者が生き残るための知恵として語られることもあります。

多勢に無勢(たぜいにぶぜい)

相手の数が多く、こちらが少数で勝ち目がないこと。
数という暴力的な現実の前では、個人の能力や正義が通用しにくい状況を表します。

弱肉強食(じゃくにくきょうしょく)

弱い者が強い者の犠牲になること。
自然界の掟(おきて)ですが、競争社会の厳しさや、強者が弱者を搾取する不条理な構造を表す言葉として定着しています。

善意や努力が報われない

「良かれと思ってやったのに」「あれほど頑張ったのに」。
善意が仇(あだ)になったり、努力が水泡に帰したりする虚しさを表す言葉です。

庇を貸して母屋を取られる(ひさしをかしておもやをとられる)

恩を売って一部を貸してやったつもりが、相手が増長してついには全部を奪われてしまうこと。
善意につけ込まれる理不尽さを表します。

飼い犬に手を噛まれる(かいいぬにてをかまれる)

日頃から面倒を見て可愛がっていた者から、手痛い裏切りを受けること。
恩知らずな仕打ちに対する怒りと悲しみが込められています。

骨折り損のくたびれ儲け(ほねおりぞんのくたびれもうけ)

苦労して努力したにもかかわらず、何の結果も得られず、ただ疲れただけであること。
徒労に終わった虚しさを自嘲(じちょう)気味に語る言葉です。

元の木阿弥(もとのもくあみ)

一度良くなったものが、再び元の悪い状態に戻ってしまうこと。
戦国時代の武将・筒井順昭(つついじゅんしょう)の死を隠すために影武者にされた「木阿弥」という男が、用済みになった後に元の身分に戻されたという逸話などが由来として知られています。

賽の河原(さいのかわら)

いくら努力しても報われず、無駄な苦労が延々と続くこと。
死んだ子供が河原で石を積み上げると、鬼が来てそれを崩してしまうという仏教説話から来ています。

欺瞞(ぎまん)・隠蔽

社会に溢れる「嘘」や「ごまかし」。見かけと中身が違う矛盾や、都合の悪いことを隠そうとする体質に対する言葉です。

羊頭狗肉(ようとうくにく)

「羊の頭」を看板に掲げておきながら、実際には「犬の肉」を売ることから、見かけや宣伝だけが立派で、中身が伴わないことのたとえ。

臭いものに蓋をする(くさいものにふたをする)

失敗や悪事など、自分たちにとって都合の悪いことが外部に漏れないよう、一時しのぎの方法で隠してしまうこと。
根本的な解決をせず、隠蔽(いんぺい)しようとする組織の体質を批判する際によく使われます。

玉石混淆(ぎょくせきこんこう)

優れたもの(玉)と劣ったもの(石)が入り混じっていること。
良いものだけが選ばれるとは限らない、カオスな状態を表します。

「矛盾」の語源・由来

ここでは、今回のテーマの核となっている「矛盾」という言葉は、中国の古典『韓非子(かんぴし)』に登場する故事に由来します。

昔、中国の楚(そ)の国に、武器を売る商人がいました。
彼は自分の商品を売るために、次のように宣伝しました。

「この盾(たて)は非常に堅く、どんな鋭い矛(ほこ)でも突き通すことはできない」
そして次に、別の商品を手に取ってこう言いました。
「この矛(ほこ)は非常に鋭く、どんなに堅い盾でも突き通すことができる」

すると、見物人の中から一人が声を上げました。
「では、その矛でその盾を突いたらどうなるのか」
商人は答えに詰まり、何も言えなくなってしまいました。

この逸話から、話のつじつまが合わないことを「矛盾」と呼ぶようになりました。
社会における不条理もまた、建前と本音が食い違っているという点で、まさに「矛盾」そのものと言えるでしょう。

英語表現

社会の不条理さを表す英語表現をいくつか紹介します。

Life is unfair.

  • 意味:「人生は不公平なものだ」
  • 解説:努力が報われない時や、理不尽な目に遭った時に、諦めや慰めの意味を込めて使われる最も一般的なフレーズです。

The weak go to the wall.

  • 意味:「弱肉強食(弱者は窮地に追いやられる)」
  • 解説:直訳すると「弱者は壁際へ追いやられる」。競争社会において弱い立場の人間が割を食う状況を表します。

Might makes right.

  • 意味:「力は正義なり」
  • 解説:本来の正義(Right)ではなく、力(Might)を持つ者が正義を定義してしまうという皮肉な表現。「勝てば官軍」に近いニュアンスです。

まとめ

社会の不条理や矛盾を表す言葉は、古今東西を問わず数多く存在します。
それだけ多くの人が、思い通りにならない現実に悩み続けてきたという証拠でもあります。

「正直者が馬鹿を見る」ような現実に直面したとき、これらの言葉を思い出すことで、「自分だけではない」と孤独感が和らいだり、「長いものには巻かれよ」と割り切ることで身を守ったりすることができるかもしれません。

先人たちが言葉に残した知恵を、現代の理不尽な社会を生き抜くための「心の盾」として活用してみてください。

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