慣用句

癪に障る

(しゃくにさわる)

人の言動や物事が気に入らず、腹が立って、むしゃくしゃした気持ちになること。

異形:しゃくに障る

7文字の言葉 / 「し・じ」から始まる言葉
癪に障る ことば
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意味

「癪に障る(しゃくにさわる)」とは、気に入らないことがあって、腹立たしく感じるという意味です。
相手の態度や言い方、身の回りの出来事などについて使います。

  • 癪(しゃく):腹が立ってむしゃくしゃする気持ち。
  • 障る(さわる):差し支える。気分を損なう。

使い方・例文

「さわる」は「触る」と書くこともありますが、腹が立つという意味ではふつう「障さわる」と書きます。

  • 部下が報告のたびに言い訳ばかり並べるのが癪しゃくに障さわる。
  • 弟に「そんなこともできないの」と笑われたのが癪しゃくに障さわって、夜まで口をきかなかった。

坊っちゃんと黒板の「天麩羅四杯なり」

『坊っちゃん』(夏目漱石)
四国の中学校に赴任した「おれ」が、そば屋で天麩羅てんぷらそばを四杯平らげた翌日の場面です。
最初の教室で黒板に「天麩羅先生」と書かれたときは相手にしませんでしたが、次の教室(教場)の黒板にも「天麩羅四杯なり」と書かれていて、とうとう腹を立てます。

十分立って次の教場へ出ると一つ天麩羅四杯なり。但し笑うべからず。と黒板にかいてある。さっきは別に腹も立たなかったが今度は癪に障った。

類義語・関連語

  • 癇に障る(かんにさわる):
    気に入らないことに腹が立つこと。意味はほぼ同じ。
  • 気に障る(きにさわる):
    言い方や振る舞いが、人をいやな気持ちにさせること。
  • 頭に来る(あたまにくる):
    怒りがこみ上げて、かっとなること。
  • 腹に据えかねる(はらにすえかねる):
    怒りや不満を、心の中に収めておけなくなった状態。腹が立つだけでなく、それを抑えきれなくなっている点が違う。
  • 業を煮やす(ごうをにやす):
    物事が思いどおりに運ばず、いらいらして腹を立てること。はかどらないことへのいらだちをいう点が違う。
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英語表現

get on one’s nerves

人のすることや物音などが、いらいらさせて腹を立たせること。
同じことを繰り返されて、だんだん気に障ってくるときによく使う。

His constant excuses really get on my nerves.
(彼がいつも言い訳ばかりするのが、本当に癪しゃくに障さわる。)

rub … the wrong way

人の態度や言い方が、なんとなく神経を逆なでして不快にさせること。
動物の毛を逆向きになでることから。
イギリスでは rub … up the wrong way とも言う。

Her know-it-all tone rubbed me the wrong way.
(彼女の何でも知っているような口ぶりが癪しゃくに障さわった。)

「癪」はもと、胸や腹の差し込みの病名

「癪しゃく」は、もともと胸や腹が急にけいれんを起こして痛む病気の名前で、「差し込み」とも呼ばれました。
日本で作られた字で、「しゃく」は「積(つもる)」の字の古い読み方の一つです。
つらさや苦労が積もり積もって起こる病だと考えられ、多くは女性の病とされていました。

この「心の苦しみが積もって起こる」という面が広がって、腹立たしいことも「癪」と言うようになり、「癪に障る」が生まれました。
子どもに起こる、よく似た病とされた「癇かん」と合わせた「癇癪かんしゃく」は、病気の意味が抜け、もっぱら腹を立てることをいう言葉になりました。

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