意味
「興味本位(きょうみほんい)」とは、面白さだけを物差しにして物事を決める傾向のことです。
語源・由来
この言葉は、「興味」に「本位」を付けてできた語です。
「本位」は、判断や行動をするときのよりどころとなるものを指します。
そのよりどころが面白いかどうかにある、という組み立てです。
使い方・例文
「興味本位で」「興味本位に」「興味本位の」「興味本位な」の形で使います。
- 事故の現場を興味本位でのぞきに行くのはやめておけ。
- 病気のことを興味本位に聞いてくる人が多く、彼女はうんざりしていた。
- 興味本位で始めた釣りが、今では一番の趣味になった。
関連語
- 物見高い(ものみだかい):
珍しいものなら何でも見物したがるさま。形容詞で、見たがる性質そのものを言う語。 - 好奇心(こうきしん):
珍しいことや、まだ知らないことに引かれる心。心の働きを指す語で、判断の基準を言う語ではない。 - 物好き(ものずき):
変わったことを好むこと。また、そういう人。好みや人柄を言う語。 - 野次馬(やじうま):
自分に関係のない出来事を、興味本位で見物したり騒ぎ立てたりする人。人を指す語。
漱石の「自己本位」と『明暗』の「興味本位」
同じ「本位」を使った言葉に、夏目漱石の「自己本位」があります。
1914年(大正3年)に学習院で行った講演「私の個人主義」で、漱石はイギリス留学中の行き詰まりを振り返っています。
ロンドンの下宿で、いくら本を読んでも先が見えなかった漱石は、それまでの自分が「他人本位」だったと気づきます。
他人の品評を聞いて、それを無理にでも自分の考えにしてしまう人まねのことです。
そこから、自分の見方で判断する立場として「自己本位」という四字を考え出し、次のように話しています。
私はこの自己本位という言葉を自分の手に握ってから大変強くなりました。
漱石は、のちの小説『明暗』(1916年)で「興味本位」も使っています。
温泉場へ向かう汽車の中で、主人公の津田が、乗り合わせた二人の男の大げさな話を聞き流す場面です。
面白半分にする興味本位の談話には、それぎり耳を貸さなかった。
(『明暗』1916年)









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