国家間の戦争から日常の競争まで、「争い」は避けて通れない出来事であり、「平和」は人が常に求め続けてきた状態です。
これらの相反するテーマに関連する言葉には、戦闘の教訓や、平穏への願いが込められています。
今回は、「争いと平和」というテーマに関連する、主なことわざ、慣用句、四字熟語、故事成語などを紹介します。
「争いと平和」に関連する言葉 一覧
ことわざ
- 備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし):
日頃から準備(争いの備え)をしておけば、いざという時(争いや災難)に心配することがないということ。 - 金持ち喧嘩せず(かねもちけんかせず):
財産のある者や余裕のある者は、自らトラブル(争い)を避け、平和を好むということ。 - 勝てば官軍負ければ賊軍(かてばかんぐんまければぞくぐん):
争いにおいて勝った者が正義となり、負けた者は悪とされてしまうということ。 - 逃げるが勝ち(にげるががち):
争いにこだわらず、身を引くことこそ、かえって得策であるという教訓。 - 戦を欲さば、平和に備えよ(いくさをほっさば、へいわにそなえよ):
(ナポレオンの格言の逆説)戦争を仕掛けたいなら、相手が油断して平和に浸っている時期を狙うべきだ、という戦略的な教訓。 - 雲泥の差(うんでいのさ):
(天の雲と地の泥ほどの差)平和と戦争、勝者と敗者のような、非常に大きな違いがあること。
慣用句
- 一戦交える(いっせんまじえる):
一度争うこと。 - 戦いの火蓋を切る(たたかいのひぶたをきる):
(火縄銃の火蓋を開けることから)争いや競技、議論などを開始すること。 - 鉾を収める(ほこをおさめる):
(「鉾」は武器)争いをやめて、平和な状態に戻ること。和睦する。 - 血で血を洗う(ちでちをあらう):
激しい争いで、多くの流血と犠牲が出るさま。 - 修羅場をくぐる(しゅらばをくぐる):
(激しい争いの場所を経験する)非常に激しい争いや困難な状況を乗り越えること。 - 白旗を上げる(しろはたをあげる):
相手に降伏し、争いをやめること。平和を求める行為。 - 終止符を打つ(しゅうしふをうつ):
(争いや物事などに)決着をつけ、終わりを告げること。平和への移行。 - 平穏無事(へいおんぶじ):
変わりなく、穏やかで無事な状態。平和な日常。
四字熟語
- 弱肉強食(じゃくにくきょうしょく):
弱い者が強い者の餌食になること。争いの世界、弱者に容赦のない厳しい競争社会の原理。 - 血風剣戟(けっぷうけんげき):
(血なまぐさい風と剣による争い)激しい争いや殺し合いのさま。 - 天下泰平(てんかたいへい):
世の中が統一されて、平和が保たれていること。 - 泰平無事(たいへいぶじ):
世の中が穏やかで平和なこと。 - 安寧秩序(あんねいちつじょ):
世の中が穏やかで、規律が保たれている状態。平和な社会の基本。 - 一触即発(いっしょくそくはつ):
少し触れればすぐに爆発しそうな、極めて緊迫した危険な状態。争いの瀬戸際。 - 平和共存(へいわきょうそん):
異なった国や人種、思想を持つ者同士が、互いの違いを認め合い、争わずに平和に暮らすこと。 - 戦々恐々(せんせんきょうきょう):
(四字熟語としても使われる)恐れて、びくびくしているさま。争いの恐怖。 - 満身創痍(まんしんそうい):
体中が傷だらけであること。争いに敗れた後の状態。
故事成語
- 汝平和を欲さば、戦への備えをせよ(なんじへいわをほっさば、いくさへのそなえをせよ):
平和を保ちたいのであれば、戦争を仕掛けられないよう、常に軍事的な備えを怠るべきではないという教訓。
(ラテン語の格言) - 解甲帰田(かいこうきでん):
武具を解いて故郷の田畑へ帰ること。戦争が終わり、平和な暮らしに戻ることのたとえ。
(中国の『漢書』より) - 牛を桃林の野に放つ(うしをとうりんのやにはなつ):
争いに用いた牛を野原に放すこと。争いを終えて、再び平和な状態になることのたとえ。
(周の武王の故事より) - 鳴かず飛ばず(なかずとばず):
活躍の機会をうかがい、準備をしながら静かにしていること。争いの前の平和な準備期間。
(中国の故事で、王が三年鳴かず飛ばずだった鳥が、一度鳴くと天下を治めたことから) - 臥薪嘗胆(がしんしょうたん):
復讐や目的達成のために、あらゆる苦労に耐え、争いの準備を続けること。
(中国の故事から) - 戦場の華(せんじょうのはな):
争いの中で、ひときわ目覚ましい活躍をすること。
まとめ – 争いから生まれる平和への願い
今回は、「争いと平和」という相反するテーマに関連する言葉を紹介しました。
「弱肉強食」「血風剣戟」のような苛烈な争いの現実から、「天下太平」「平和共存」のような人々が望む平和な理想まで、幅広い表現がありました。
「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」という言葉が示すように、平和は単に争いがない状態ではなく、常に意識的な努力や準備によって維持されるものであることがうかがえます。
これらの言葉は、歴史が教えてくれる「争い」の教訓と、「平和」への強い願いを伝えていますね。









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