「匂い」に関する ことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語一覧

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【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

ふとした瞬間に漂ってくる香りに過去の記憶が呼び起こされたり、目に見えない異変を察知したりすることがあります。
五感の中でも特に本能に訴えかける「匂い」は、古くから人の品格や物事の気配を例える言葉として、私たちの日常に深く根付いてきました。

才能や徳をあらわす言葉

栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)

大成する人物は、幼い頃からすでに優れた才能の片鱗を見せているという意味です。
香木の白檀(びゃくだん)は、芽が出たばかりの双葉の時期からすでに芳香を放つという性質に由来します。
早熟な天才や将来が楽しみな子供を称える際によく使われる表現です。

芝蘭の交わり(しらんのまじわり)

優れた友人や徳の高い人物と交わることで、自分も自然と良い影響を受けることのたとえです。
「芝(れいし)」も「蘭(らん)」も香りの良い植物を指します。
香りの良い部屋にいると意識せずともその香りが服に移るように、立派な人と過ごすことで自らの人格も磨かれるという教訓です。
四字熟語での表現だと「芝蘭之交」

芳香馥郁(ほうこうふくいく)

良い香りが、あたり一面に漂っている様子をあらわす四字熟語です。
「馥郁」という言葉自体が、香りが強く漂うさまを意味します。
単に「匂う」というよりも、さらに高貴で芳しい香りが空間を満たしている、贅沢な情景を描写するのに適しています。

桂馥蘭香(けいふくらんこう)

モクセイ(桂)やラン(蘭)のように、素晴らしい香りが立ち込めていることを意味します。
転じて、その人の評判や名声が広く知れ渡っていること、あるいは高潔な品格を持っていることを称える言葉としても用いられます。

風薫る(かぜかおる)

初夏の若葉の間を吹き抜けてくる風が、さわやかに感じられる様子をあらわします。
実際に植物の匂いがする場合もありますが、主にはその季節特有の清々しさを「香り」として捉えた詩的な表現です。生命力に満ちた季節の訪れを感じさせる言葉として親しまれています。

疑惑や危険、不快感をあらわす言葉

きな臭い

何かが焦げているような匂いがすることから転じて、事件や騒動、あるいは隠し事などが起こりそうな怪しい気配を意味します。
単なる疑いよりも、どこか物騒で不穏な空気が漂っている状況を指します。
現代では「火種」があるような危うい状況の比喩として一般的です。

胡散臭い(うさんくさい)

どことなく怪しい、正体がわからず油断できないといった疑わしい様子を指します。「胡散」は怪しいことや不審なことを意味する言葉です。はっきりとした証拠はないものの、直感的に「何か裏があるのではないか」と感じるような、心理的な不快感を伴う疑念を表現します。

鼻につく

匂いが強すぎて不快に感じること、転じて相手の言動が自慢げであったり気取っていたりして、いちいち嫌味に感じられることをあらわします。
最初は気にならなくても、何度も繰り返されるうちに鼻を背けたくなるような、飽き飽きとした不快感を指すのにぴったりの言葉です。

鼻が利く

匂いを嗅ぎ分ける能力が高いこと、転じてわずかな兆候から自分に有利な情報や、危険な気配を敏感に察知する能力があることを意味します。
ビジネスや勝負事において、チャンスを逃さない鋭い直感を持っている人を評する際に、ポジティブ・ネガティブ両面で使われます。

生臭い

血や生魚のような不快な匂いがすること、転じて高潔であるべき場所に金銭や権力、欲望といった俗世間の生々しい実態が絡んでいる様子を皮肉って使います。
宗教や政治の世界において、本来の理念から外れた不透明な裏側が見えるときなどに「生臭い話」と表現されます。

本質や評判、処世術をあらわす言葉

臭いものに蓋をする(くさいものにふたをする)

根本的な解決を避け、不都合なことや醜聞(しゅうぶん)を一時的に隠して、世間に知られないようにすることのたとえです。
悪臭の元を絶たずに蓋をしてやり過ごす様子を描いており、その場しのぎの卑怯な対応を批判する文脈で多く用いられます。

鮑魚の肆に入るが如し(ほうぎょのしにいるがごとし)

悪い環境に長くいると、自分では気づかないうちにその悪に染まってしまうことのたとえです。
「鮑魚」は魚の干物、「肆」は店を指します。
臭い干物屋に長くいると鼻が慣れて匂いを感じなくなるように、悪習に浸る怖さを説いた、中国の『孔子家語』に由来する言葉です。

遺臭万年(いしゅうばんねん)

悪い行いや評判が、死後もなお一万年先まで語り継がれてしまうことを意味します。
「遺臭」は、死後も残る悪い評判(臭名)のことです。
名声が長く残ることを意味する「流芳百世」の対義語として、人の道に外れた行為を戒める言葉として使われます。

一薫一蕕(いっくんいっきゅう)

善と悪、あるいは優れたものと劣ったものは、決して相容れないことのたとえです。
「薫」は良い香りの草、「蕕」は悪臭を放つ草を指します。
一人の善人がいても、多くの悪人がいればその善が消されてしまうという集団心理の厳しさをあらわすこともあります。

悪臭を放つ(あくしゅうをはなつ)

ひどい臭気を周囲に撒き散らすこと、転じて不正や汚職などが目に余るほどひどく、周囲から激しく非難されている状況を指します。
物理的な匂いだけでなく、社会的な評価が著しく低下し、誰の目にもその醜悪さが明らかであることを表現する際に使われます。

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