ことわざ 慣用句

似たり寄ったり

(にたりよったり)

互いの違いがほとんどなく、優劣がつけられないこと。


7文字の言葉」から始まる言葉
似たり寄ったり ことば
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意味

「似たり寄ったり」とは、二つ以上のものを比べたときに、大きな違いがなく、優劣がつけられないことを指します。

性質や状態が非常に近いため、どちらを選んでも結果は変わらない、という状況で使われます。
この言葉の核心は、単に「似ている」という事実を述べるだけでなく、「どれも平凡である」「飛び抜けたものがない」といった、やや否定的なニュアンスや、諦めに近い感情が含まれることが多い点にあります。

そのため、どちらも素晴らしくて選べない、というポジティブな迷いを表すには不向きな言葉です。

語源・由来

「似たり寄ったり」の語源は、似た意味を持つ二つの動詞を組み合わせ、リズムを整えた強調表現にあります。

「似る」という言葉に、近づくという意味の「寄る」を重ね、「〜たり〜たり」という並列の形にすることで、その状態が固定化されている様子を強調しています。
特定の故事や歴史的な事件が由来ではなく、日本語特有のリズム感によって自然に定着した表現です。

かつては「似たり寄ったり」のほかに「似たり寄ったりなり」といった形で使われていた時期もありましたが、現代では現在の形が一般的です。
「行ったり来たり」や「踏んだり蹴ったり」と同様に、動作や状態が繰り返されるリズムの良さが、言葉としての親しみやすさを生んでいます。

使い方・例文

「似たり寄ったり」は、日常生活のあらゆる場面で登場します。
ただし、前述の通り「どんぐりの背比べ」のような、少し皮肉めいた響きを持つことがあるため、目上の人の能力や大切な贈り物などを評価する際には避けるのが無難です。

例文

  • 新型スマホの性能はどれも似たり寄ったりで、デザインで選んだ。
  • 今回の期末テストの平均点は、どのクラスも似たり寄ったりの結果だったようだ。
  • どの政党の公約も似た言葉が並び、似たり寄ったりに感じてしまう。
  • 兄と私の料理の腕は母から見れば似たり寄ったりらしい。

誤用・注意点

「似たり寄ったり」は、高いレベルで実力が拮抗している場合には使いません。
例えば、オリンピックの決勝で、金メダルを争う二人の超人的な記録に対して「似たり寄ったりだ」と言うのは、彼らの努力や実力を過小評価する失礼な表現になります。

実力が伯仲し、どちらも素晴らしいと言いたい場合は、拮抗(きっこう)や、互角(ごかく)といった言葉を使うのが適切です。

類義語・関連語

「似たり寄ったり」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
それぞれのニュアンスの違いを理解して使い分けることが大切です。

  • 五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ):
    多少の違いはあるが、本質的にはどちらも同じように良くないこと。
  • 団栗の背比べ(どんぐりのせいくらべ):
    どれも平凡で、抜きん出た者がいないこと。
  • 大同小異(だいどうしょうい):
    大部分は同じで、細かい点にだけ違いがあること。
  • どっちもどっち
    どちらも同じくらい良くない、あるいは問題があること。

対義語

「似たり寄ったり」とは対照的に、比較にならないほどの大きな差があることを示す言葉です。

  • 雲泥の差(うんでいのさ):
    天の雲と地の泥ほど、極端に差があること。
  • 月とスッポン(つきとすっぽん):
    形は似ているが、比較にならないほど価値や性質がかけ離れていること。
  • 天と地(てんとち):
    二つの間に、非常に大きな開きがあること。

英語表現

「似たり寄ったり」を英語で表現する場合、日常会話では以下のようなフレーズが使われます。

Much of a muchness

「大差ない」「似たり寄ったり」という意味を表す表現で、主にイギリス英語で使われる少しユーモラスな響きを持つ。二つのものが同じように退屈、あるいは平凡であることを示す。

The quality of these two products is much of a muchness.
(これら二つの製品の品質は、似たり寄ったりだ。)

Six of one and half a dozen of the other

直訳すると「片方は6、もう片方は半ダース(=6)」で、結局は同じ数字(価値)であることを表す定番のイディオム。「どちらも同じこと」「大差ない」という意味で使われる。

I don’t mind which way we go; it’s six of one and half a dozen of the other.
(どっちの道で行っても構わない。似たり寄ったりだからね。)

「〜たり〜たり」の仲間

同じ形の言い方に「踏んだり蹴ったり」がありますが、こちらは主語がねじれています。
ひどい目に遭った側が使う言葉なのに、動詞は踏む・蹴るという、する側の形になっています。

もとは「踏んだり蹴ったりの目に遭わせる」のように、する側から見た言い方だったものが、後半が省かれて被害を言う形になったとする説があります。
「似たり寄ったり」のほうは、似る・寄るがどちらも状態を表す動詞なので、こうしたねじれは起きていません。

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