意味
「外柔内剛(がいじゅうないごう)」とは、外見や物腰は穏やかで優しそうに見えるが、内面の意志や信念は強くしっかりしていることです。
- 外柔(がいじゅう):外見や人への接し方が、柔らかく穏やかなこと。
- 内剛(ないごう):心の中の意志や信念が、強くぶれないこと。
語源・由来
中国の歴史書に由来します。
『晋書』「甘卓伝」には「卓は、外柔らかく、内剛く、政を為すに簡恵なり」という記述があり、外見は穏やかでありながら内面は強い意志を持つ人物として評されています。
また『新唐書』「盧坦伝」にも同様の表現が見られ、優れた人物を評する言葉として使われてきました。
こうした古典の人物評が四字熟語として定着したものです。
使い方・例文
家庭、職場、学校など、あらゆる場面において「優しさと強さのギャップ」を持つ魅力的な人物を評価する褒め言葉として使われます。
- 母は外柔内剛を絵に描いたような人だ。
- 彼女の外柔内剛な人柄は多くの信頼を集めている。
- 彼は一見おとなしいが、実は外柔内剛の持ち主だ。
類義語・関連語
「外柔内剛」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 内剛外柔(ないごうがいじゅう):
「外柔内剛」の漢字の順序を入れ替えた言葉で、意味はまったく同じです。 - 外円内方(がいえんないほう):
外見は角が立たず円満だが、内心は正しく真っ直ぐでしっかりしていること。 - 柳に雪折れなし(やなぎにゆきおれなし):
柔らかくしなやかなものは、堅くこわばったものよりも、かえって苦難に耐えることができるという教訓。
対義語
「外柔内剛」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。
- 内柔外剛(ないじゅうがいごう):
心の中は気が弱くて臆病なのに、外見だけは強そうに振る舞うこと。 - 外剛内柔(がいごうないじゅう):
「内柔外剛」と同じく、見かけ倒しで内面が弱いこと。 - 内弁慶(うちべんけい):
家の中では威張っているが、一歩外に出ると意気地がなくなること。
英語表現
「外柔内剛」を英語で表現する場合、以下のようなフレーズが適しています。
an iron fist in a velvet glove
意味:ベルベットの手袋の中の鉄の拳
表面的な優雅さ(ベルベットの手袋)の裏に、断固とした強い意志(鉄の拳)を隠し持っていることを表す、非常に有名な慣用句です。
She rules the company with an iron fist in a velvet glove.
(彼女は外柔内剛のやり方で会社を統治している。)
still waters run deep
意味:静かな水は深く流れる
表面が静かな川ほど水深が深いことから、おとなしそうに見える人ほど、内に深い考えや情熱を秘めていることを表すことわざです。
He doesn’t say much, but still waters run deep.
(彼は多くを語らないが、内に秘めたものは深い。)
「外柔内剛」と評された東晋の将軍、決断力は欠いた
『晋書』が東晋の将軍甘卓を「外柔内剛」と評したのは、梁州の長官として襄陽を治めた時期のくだりです。
商いにかけていた税をすべて除き、領内の魚池から取っていた税もやめて収益を貧しい人々に与えたため、その地方では「恵政」とたたえられました。
ところが同じ伝は、東晋の大将軍王敦が兵を挙げたときの甘卓を、「性果毅ならず」(思い切って事を決める性格ではなかった)と書いています。
甘卓は王敦を討つと宣言して軍を出しながら、途中で何十日も進まず、そのまま襄陽へ引き返しました。
そして備えを怠っているところを、王敦の意を受けた襄陽の太守らに寝込みを襲われて殺されます。
それでも『晋書』は、このときの甘卓が「義正を懐く」(正しい志は持っていた)ことは認めています。
「外柔内剛」が言うのは心の芯の強さで、決断の速さまで請け合う言葉ではないことが、この言葉で評された甘卓の伝からも分かります。












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