三字熟語 故事成語

桃源郷

(とうげんきょう)

俗世間から離れた、争いや苦しみのない平和で豊かな理想の世界。


7文字の言葉 / 「と・ど」から始まる言葉
桃源郷 ことば
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意味

「桃源郷(とうげんきょう)」とは、争いや苦しみが一切なく、平和で豊かな理想の世界のことです。
ただの楽しい場所ではなく、現実の過酷な社会から離れた「隠れ家のような安息の地」という響きを持っています。
同じ意味で「桃源」「武陵ぶりょう桃源」とも言います。

  • 桃:中国で魔除けや長寿の象徴とされる果実。
  • 源:川の水が湧き出る始まりの場所。
  • 郷:人々が暮らす村や里。

語源・由来

「桃源郷」という言葉は、中国の詩人である陶淵明とうえんめいが書いた『桃花源記とうかげんき』という物語に由来します。

ある日、川を上っていた漁師が、両岸に桃の花が咲き乱れる林に迷い込みました。
その奥にある小さな洞窟を抜けると、そこには秦の時代の戦乱を避けて移り住んだ人々の子孫が、外の世の移り変わりを知らずに平和に暮らす、美しく豊かな村が広がっていたというお話です。

漁師は村人から手厚いもてなしを受けて数日過ごしますが、村を出た後に再びその場所を見つけることはできませんでした。
この不思議で美しい物語から、俗世間を離れた理想の別世界を「桃源郷」と呼ぶようになりました。

使い方・例文

「桃源郷」は、現実離れした美しい風景や、心から安らげる素晴らしい環境を表現する場面で使われます。

  • 温泉に浸かりながら見る雪景色は、まさに桃源郷のようだった。
  • 都会の喧騒を離れたこの小さな島は、私にとっての桃源郷だ。
  • 趣味の道具に囲まれたこの部屋こそ、彼が作り上げた桃源郷である。
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類義語・関連語

「桃源郷」に近い意味合いを持つ言葉として、以下のようなものがあります。

  • 理想郷(りそうきょう):
    想像上で描かれた、全く欠点のない完璧な世界。
  • ユートピア:
    現実には存在しない、理想的に管理された空想の社会。
  • 別天地(べってんち):
    普段の生活圏とは全く異なる、俗化されていない素晴らしい場所。

「桃源郷」と「ユートピア」の違い

どちらも「理想の世界」を指しますが、その成り立ちと目指す方向に決定的な違いがあります。
「桃源郷」は自然豊かで争いのない素朴な村を指すのに対し、「ユートピア」は人間の理性によって作られた完璧な社会制度を指します。

語句理想の姿誕生の背景
桃源郷
(とうげんきょう)
自然と調和した素朴な平和争いや政治からの現実逃避
ユートピア制度が整った完璧な社会思想による社会の計画的構築

英語表現

理想的な楽園や、隠された美しい場所を表す表現です。

Shangri-La

This resort is a true Shangri-La.
(このリゾートはまさに桃源郷です。)

paradise

The tropical island was a paradise on earth.
(その南の島は地上の桃源郷でした。)

『桃花源記』は戦乱期の作、山の避難集落が下敷きとの説

『桃花源記とうかげんき』が書かれた5世紀初めの中国は、戦乱が続き、国が大きく乱れた時代でした。
晋の時代の歴史を記した『晋書』にも、戦乱を避けた人々が一族や村人を連れて険しい山にこもり、身を守った話が記されています。
作者である陶淵明とうえんめい自身も、役人の仕事を辞めて農村での生活を選んだ人物です。
物語に登場する平和な村のモデルがどこかは諸説あり、こうした避難の集落が下敷きになったとみる説もあります。

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