突然の知らせに、それまで穏やかだった顔つきが一瞬にして険しくなる。
そんな激しい感情の高ぶりを表すのが、「血相を変える」(けっそうをかえる)です。
意味
「血相を変える」とは、怒りや驚き、恐怖などの強い感情によって、顔つきが激しく変わるという意味です。
単に顔色が変わるだけでなく、その後に大声を出す、走り出すといった目に見える行動を伴うことが多く、感情の激しさが伝わる緊迫した場面で使われます。
- 血相(けっそう):血の気を含んだ顔つき、顔色。
- 変える(かえる):それまでとは違う状態にすること。
語源・由来
「血相を変える」は、特定の書物に由来する言葉ではなく、人相や顔色を表す「血相」という語から生まれた表現です。
「血相」はもともと、顔に浮かぶ血色から相手の心情や体調を判断する、人相見の言葉として使われていました。
怒りで頭に血が上れば顔が赤くなり、恐怖で血の気が引けば青ざめるというように、感情の動きが血色の変化として顔に表れる様子を捉えた言葉として、日常語に定着していきました。
使い方・例文
「血相を変える」は、怒りや驚きなど、強い感情によって表情が一変する場面で使われます。
- 忘れ物に気づいた彼は、血相を変えて家に駆け戻った。
- 成績を落としたと知り、母は血相を変えた。
- 事故の一報を聞いて、社員たちが血相を変えて駆けつけた。
類義語・関連語
「血相を変える」と同様に、感情の高ぶりによる表情の変化を表す言葉には、以下のようなものがあります。
「血相を変える」と「顔色を失う」の違い
両者とも顔つきの急激な変化を表しますが、感情の方向性に違いがあります。
「血相を変える」は怒りにも恐怖にも使える幅広い表現であるのに対し、「顔色を失う」は恐怖や動揺による青ざめに限定されます。
| 語句 | 感情の方向 |
|---|---|
| 血相を変える (けっそうをかえる) | 怒り・驚き・恐怖など幅広い |
| 顔色を失う (かおいろをうしなう) | 恐怖・動揺による青ざめ |
英語表現
turn red with anger
怒りで顔が赤くなる様子を表す表現で、血相を変えるうちの怒りの場面に適する。
He turned red with anger when he heard the news.
(彼はその知らせを聞いて血相を変えた。)
顔色を判断材料にしてきた人相見の文化
日本には古くから、顔つきや顔色から人の性格や運勢、体調を読み取る「人相見」という職業が存在しました。
「血相」もその専門用語のひとつで、単なる顔色ではなく、感情や体調が透けて見える顔の様子全体を指す言葉として使われていました。
医学的にも、怒りや興奮で血圧が上がると毛細血管が広がって顔が赤らみ、強い恐怖で血管が収縮すると血の気が引いて青白く見えることが分かっています。
「血相を変える」という言葉は、こうした体の生理反応を、専門知識のない時代から経験則として言い当てていた表現だといえます。









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