意味
面倒なことを避けて楽な方へ流れてしまう性分を、批判的なニュアンスを込めて表す四字熟語です。
- 好逸(こういつ):安楽・気楽を好むこと。
- 悪労(あくろう):苦労や労働を嫌うこと。
語源・由来
「好逸悪労」は、中国後漢時代の名医、郭玉(かくぎょく)にまつわる逸話に由来するとされます。
『後漢書』郭玉伝によると、身分の高い人を治療するときのほうが庶民を治療するときよりも治りにくいことを不思議に思った皇帝が、その理由を郭玉に尋ねました。
郭玉は、身分の高い人には治療がうまくいかない「四つの難しさ」があると答え、その一つとして、日頃から安楽に慣れて苦労を嫌う「好逸悪労」の性分を挙げたと伝えられています。
この逸話から、「好逸悪労」は楽を求めて労苦を避ける態度そのものを指す言葉として使われるようになりました。
使い方・例文
「好逸悪労」は、楽を求めて努力や苦労を避けようとする人や性分を指す場面で使われます。
- 好逸悪労な性格を直さない限り、成長は望めない。
- 彼の好逸悪労ぶりには、周囲もあきれ顔だった。
- 若いうちから好逸悪労に流されないよう、あえて厳しい環境に身を置いた。
類義語・関連語
「好逸悪労」と同じく、楽を求めて苦労を避ける様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 無為徒食(むいとしょく):
何も仕事をせず、ただぶらぶらと遊び暮らすこと。 - 安逸(あんいつ):
苦労なく、のんびりと楽に過ごすこと。 - 怠惰(たいだ):
なすべきことを怠り、だらけていること。
対義語
「好逸悪労」とは反対に、苦労を惜しまず励む様子を表す言葉があります。
- 刻苦勉励(こっくべんれい):
苦労を重ねながら、努力に励むこと。
英語表現
bone idle
「骨の髄まで怠け者」というニュアンスのイギリス英語の口語表現で、極めて怠惰な性分を強調して表す。
He’s bone idle and never lifts a finger at home.
(彼はまさに好逸悪労で、家では何もしようとしない。)
take the path of least resistance
「最も抵抗の少ない道を選ぶ」という意味の表現で、苦労を避けて楽な選択ばかりする様子を表す。
She always takes the path of least resistance.
(彼女はいつも好逸悪労で、楽な方ばかり選ぶ。)
名医・郭玉が見抜いた、治療を拒む「四つの難しさ」
後漢の名医・郭玉は、身分の低い者への治療はよく効くのに、身分の高い者を診ると効きが悪いという現象について、皇帝に「治療には四つの難しさがある」と説明したと伝えられている。
郭玉が挙げた四つの難点とは、患者が自分の考えにこだわって医師の指示に従わないこと、体を大切に扱わないこと、骨や関節が弱く薬に耐えられないこと、そして「安逸を好み、労苦を嫌う」ことである。
身分が高く普段から不自由のない生活を送っている人ほど、几帳面な養生や根気のいる治療を続けにくいという郭玉の指摘は、「好逸悪労」という言葉が単なる怠け心ではなく、治療という具体的な場面から生まれた観察であったことを示している。











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