慣用句

寝ても覚めても

(ねてもさめても)

眠っている間も目覚めている間も、常にそのことが頭から離れないこと。


7文字の言葉」から始まる言葉
寝ても覚めても ことば
スポンサーリンク

意味

恋しさや心配、執着など、意識してもしなくても心に張り付いて離れない強い感情を表すときに使われます。

  • 寝ても(ねても):眠っている状態でも。
  • 覚めても(さめても):目が覚めている状態でも。

語源・由来

「寝ても覚めても」という言い方は、平安時代に編さんされた「古今和歌集」に、恋しい気持ちを詠んだ和歌の一節としてすでに見られます。

「わりなくも寝ても覚めても恋しきか」のように、眠っていても目覚めていても、常に相手のことが心から離れない切ない恋心を歌った表現として使われていました。
特定の作者による造語ではなく、眠りと目覚めという人が繰り返す二つの状態を並べることで「絶えず」を表す、自然な言い回しとして古くから定着していたと考えられています。

使い方・例文

「寝ても覚めても」は、あることが常に頭から離れず、気になり続けている様子を表す場面で使われます。

  • 初恋の相手のことを、寝ても覚めても考えてしまう。
  • 開業してからというもの、寝ても覚めても仕事のことばかりだ。
  • 合格発表が気になって、寝ても覚めても落ち着かない。

類義語・関連語

「寝ても覚めても」と同様に、絶え間なく続く様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 四六時中(しろくじちゅう):
    一日中、絶え間なく。
  • 片時も忘れず(かたときもわすれず):
    わずかな時間も忘れないほど。

「寝ても覚めても」と「四六時中」の違い

どちらも「常に」を表しますが、「寝ても覚めても」は心にかかる感情や気がかりに、「四六時中」は一日の時間の長さそのものに重点があります。

語句重点
寝ても覚めても
(ねてもさめても)
心にかかる感情・気がかり
四六時中
(しろくじちゅう)
一日の時間の長さそのもの

英語表現

day and night

昼も夜も休みなく、という意味で「常に」を表す定番の表現。

She thought about him day and night after he left.
(彼が去った後、彼女は寝ても覚めても彼のことを考えていた。)

平安時代の和歌にすでに見られる言い回し

「寝ても覚めても」のように、正反対の状態を並べて「常に」「すべて」を表す言い回しは、「老若男女」(年齢と性別の対で「あらゆる人」)や「昼夜を問わず」(昼と夜の対で「いつでも」)など、日本語に数多く見られます。

「寝ても覚めても」自体も古くから使われている言葉で、平安時代の『古今和歌集』には、詠み人知らずの歌として「わりなくもねてもさめても恋しきか心をいづちやらば忘れん」という一首が収められています。

人が一日のうちに必ず経験する「寝る」と「覚める」という両極端の状態を並べることで、その間にあるすべての時間を含めて表す、対句による強調の型が古くから受け継がれてきたことがわかります。

スポンサーリンク

コメント