抑えていた感情が声に出て、口調が急に荒々しくなる。
そんな怒りの表れ方を指すのが、「語気を荒らげる」(ごきをあららげる)です。
意味
「語気を荒らげる」とは、怒りなどによって話し方や口調が荒々しくなることという意味です。言葉の内容そのものより、話す勢いや調子に怒りがにじみ出る様子を表します。
- 語気(ごき):話すときの言葉の勢いや調子。
- 荒らげる(あららげる):声や態度を荒くする。
語源・由来
「語気を荒らげる」は、「語気」と「荒らげる」という、それぞれ古くから使われてきた言葉の組み合わせから生まれた表現です。
「荒らげる」は、声や態度を荒々しくするという意味の動詞で、江戸時代の浄瑠璃『本朝二十四孝』にも「声荒らぐれば」という言い回しが見られます。
特定の出来事や書物に由来するものではなく、話し方の変化を通じて怒りを表す日常的な表現として、自然に定着してきた言葉です。
使い方・例文
「語気を荒らげる」は、怒りや苛立ちが口調に表れる場面で使われます。
- 何度目かの言い訳に、思わず語気を荒らげてしまった。
- 彼は語気を荒らげることなく、静かに反論した。
- 上司は語気を荒らげながら、遅刻の理由を問いただした。
類義語・関連語
「語気を荒らげる」と同様に、怒りが言動に表れる様子を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 声を荒らげる(こえをあららげる):語気を荒らげると同義でより一般的な言い方。
- 色をなす(いろをなす):怒りで顔色が変わること。
「あららげる」と「あらげる」
「語気を荒らげる」は、読み間違いの多い言葉としても知られています。
正しくは「あららげる」ですが、「あらげる」と読む人が近年増えています。
文化庁の「国語に関する世論調査」でも、本来の読み方である「あららげる」を選んだ人と、「あらげる」を選んだ人がほぼ拮抗する結果が出たことがあります。
「あららげる」は「荒(あら)」に動詞をつくる「らげる」が付いた形で、同じ構造の言葉に「和らげる(やわらげる)」があります。
「やわらげる」を「やわげる」と読む人がいないことを考えると、「あららげる」の読み間違いは、比較的新しく広まった言い方の揺れといえます。









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