意味
「色をなす」とは、怒りのあまり、顔つきがさっと変わることという意味です。
声を荒げる前に、まず表情に感情が出てしまう様子を表します。
- 色(いろ):顔色、表情。
- なす(なす):ある状態を作り出す。
語源・由来
「色をなす」の「色」は、人の顔色や表情そのものを指す言葉です。
「なす」は、ある状態を作り上げる、変化させるという意味を持ちます。
怒りによって血の気が上がり、顔つきがそれまでと違う状態に変わる。
その様子をそのまま「色をなす」と表したのが、この言葉の成り立ちです。
「色を作す」と表記されることもあり、古くから怒りの表情を表す言葉として使われてきました。
使い方・例文
「色をなす」は、それまで穏やかだった人が急に怒りをあらわにする場面で使われます。
- 冗談のつもりの一言に、彼は色をなして反論した。
- 名誉を傷つけられ、社長は色をなした。
- 彼女は色をなして抗議したが、すぐに冷静さを取り戻した。
類義語・対義語
「色をなす」と同様に、感情による表情の変化を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 血相を変える(けっそうをかえる):
驚きや怒りで顔つきが急変すること。
反対に、恐れや驚きで血の気が引く様子を表す対義語には、次のような言葉があります。
- 色を失う(いろをうしなう):
驚きや恐れで顔が青ざめること。
「色をなす」と「血相を変える」の違い
どちらも顔つきの急変を表しますが、対象とする感情の幅が異なります。
「色をなす」は怒りによる変化に限られるのに対し、「血相を変える」は怒りに限らず驚きや焦りなど幅広い感情の急変を指します。
| 語句 | 主な感情 | 意味の幅 |
|---|---|---|
| 色をなす (いろをなす) | 怒り | 怒りに限定 |
| 血相を変える (けっそうをかえる) | 怒り・驚き・焦りなど | 感情全般に使える |
顔色と感情を結びつける発想
日本語には、感情の動きを顔の「色」の変化で表す言葉が数多くあります。
怒りで血の気が上がる「色をなす」に対し、恐れや驚きで血の気が引く状態は「顔面蒼白」や「色を失う」と表現されます。
どちらも、感情の高ぶりによる血流の変化を、目に見える顔色の変化として捉えた発想です。
怒りは血が上る「赤」、恐怖は血が引く「青白さ」として、それぞれ異なる顔色の変化が言葉に残っています。










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