慣用句

籠の中の鳥

(かごのなかのとり)

自由を奪われ、束縛された身の上であることのたとえ。

短縮形:籠の鳥/籠中の鳥
異形:篭の中の鳥

8文字の言葉か・が」から始まる言葉
籠の中の鳥 ことば
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意味

籠の中の鳥とは、外から見れば恵まれているようでも、実際には自由を奪われ、束縛された身の上であることという意味です。
生活の心配がなくても、思い通りに動けない窮屈さや、もどかしさを含んだ言葉です。

  • (かご):鳥などを閉じ込めておく入れ物。
  • 中の鳥(なかのとり):籠に入れられ、外に出られない鳥。

語源・由来

鳥は本来、空を自由に飛び回れる生き物です。
その鳥を籠に閉じ込めれば、餌や水には困らなくても、羽ばたいて自由に飛ぶことはできなくなります。
この対比から、身なりや暮らしぶりは整っていても、心や行動の自由を奪われている人のたとえとして使われるようになりました。
江戸時代の浄瑠璃作品にもこの表現が見られ、古くから不自由な境遇を表す言葉として親しまれてきたという説があります。
かつては、自由に外出できない遊女の境遇をたとえる言葉としても使われていました。

使い方・例文

経済的には満たされていても、行動や人間関係が制限されている状況を表す際に使われます。

  • 厳しい門限のある実家暮らしは、まるで籠の中の鳥のようだ。
  • 何不自由ない暮らしなのに、彼女は籠の中の鳥だと感じていた。
  • 監視の厳しい職場は、籠の中の鳥のような息苦しさがある。

類義語・関連語

  • 籠中の鳥(ろうちゅうのとり):
    「籠の中の鳥」と同じ意味の、漢語調の言い方。

対義語

  • 羽を伸ばす(はねをのばす):
    束縛から解放されて、自由にのびのびと過ごすこと。「籠の中の鳥」とは対照的に、自由を謳歌する状態を表します。

英語表現

a bird in a gilded cage

「金色の籠に入れられた鳥」という意味の表現で、見た目は豪華で満ち足りているのに、自由を奪われている状態を表す言い回しです。1900年に発表されたアメリカの流行歌のタイトルにもなり、広く知られるようになりました。

She lived like a bird in a gilded cage, surrounded by luxury but never free.
(彼女は贅沢に囲まれながらも、籠の中の鳥のように自由のない暮らしをしていた。)

a caged bird

「籠に入れられた鳥」という意味の表現で、より直接的に、自由を奪われ、閉じ込められた状態の人を指す表現です。

He felt like a caged bird in his strict household.
(彼は厳格な家庭の中で、籠の中の鳥のように感じていた。)

室町時代の物語にすでに見える「籠の鳥」

籠の中に閉じ込められた鳥のように自由を奪われた境遇を表すこの言葉は、室町時代中期に成立した御伽草子「鴉鷺合戦物語あろかっせんものがたり」にすでに見られます。
敵に包囲された一族の様子を「籠のうちの鳥のごとくにして」と描写した一節が残っています。

江戸時代の浄瑠璃「用明天皇職人鑑ようめいてんのうしょくにんかがみ」にも「籠中の鳥」という表現が使われており、捕らえられて身動きの取れない人物の心情を語る言葉として、長く使われ続けてきたことがわかります。

中国の詩人白居易には、籠の鳥と檻の中の猿を並べて、自由を失った身の上を嘆く詩句があります。
日本語の「籠の鳥」も、こうした自由の喪失を鳥にたとえる古くからの発想の延長線上にあると考えられます。

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