意味
羽を伸ばすとは、周囲からの束縛や気兼ねがなくなり、自由にのびのびと過ごすことという意味です。
ふだんは我慢したり、気を使ったりしている人が、そこから解放されて心置きなく振る舞う様子を表します。
- 羽(はね):鳥の翼。
- 伸ばす(のばす):ぴんと広げること。
語源・由来
鳥は、狭い籠や巣の中では翼を大きく広げることができませんが、外に出て自由な空へ飛び立つときには、大きく羽を広げて伸びやかに飛びます。
その、鳥が思う存分に翼を広げて自由に飛び立つ姿から、人が束縛や気兼ねから解放されて、自由にのびのびと振る舞う様子をたとえた言葉になったという説があります。
「羽」は「羽根」とも表記され、「羽根を伸ばす」という書き方も使われています。
使い方・例文
親や上司など、ふだん気を使う相手がいない間に、自由に息抜きをする場面でよく使われます。
- 両親が旅行に出かけた週末、子どもたちは羽を伸ばして遊んだ。
- 上司が出張の間、社員たちは少し羽を伸ばしていた。
- 試験が終わり、久しぶりに羽を伸ばすことができた。
類義語・関連語
- 骨休め(ほねやすめ):
仕事などの疲れを癒やし、体を休めること。
対義語
- 肩身が狭い(かたみがせまい):
周囲に気を使い、遠慮しながら過ごさなければならないこと。
英語表現
let one’s hair down
「髪をほどく」、転じて「くつろいで自由に振る舞う」という意味の表現で、かつて結い上げていた髪をほどいてリラックスする様子に由来する言い回しです。気を張らず、自由に振る舞うというニュアンスが「羽を伸ばす」に近い表現です。
With the kids away, she finally let her hair down.
(子どもたちが出かけている間、彼女はようやく羽を伸ばすことができた。)
cut loose
「束縛を断ち切る」、転じて「羽目を外して楽しむ」という意味の表現で、制約から解き放たれて、自由に、時には少し大胆に楽しむ様子を表す言い回しです。
Once the exams were over, the students really cut loose.
(試験が終わると、学生たちはすっかり羽を伸ばしていた。)
初出は江戸時代の浮世草子『好色訓蒙図彙』
「羽を伸ばす」という言い方が使われた最も古い例として知られているのが、江戸時代の浮世草子『好色訓蒙図彙』(1686年)です。
鳥が翼を大きく広げて自由に飛び立つ様子を、束縛から解かれてのびのびと振る舞うことにたとえた表現として、この時代にはすでに定着していたことがわかります。
籠に入れられたり羽をたたんだりしている鳥が、外に出て初めて翼を大きく広げられるように、常に気を張っている状態から解放される瞬間を「羽を伸ばす」という一つの動作に重ねたところに、この言葉の発想の面白さがあります。










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