意味
「怖いもの見たさ(こわいものみたさ)」とは、恐怖を感じると分かっていても、好奇心には勝てずについ目を向けてしまう衝動を指す言葉です。
恐怖と好奇心という相反する気持ちが同時に働く、人間らしい心の動きを表した言葉です。
- 見たさ(みたさ):「見たい」という気持ちを名詞にした形。
語源・由来
「怖いもの見たさ」は江戸時代の戯作にも出てくる言葉で、文政元年(1818年)刊とされる『道具屋十七兵衛』に「こわいもの見たさ」の形で書かれています。
使い方・例文
「怖いもの見たさ」は、恐怖を感じながらもつい見てしまう場面で使われます。
- 怖いもの見たさで、心霊スポットの動画を最後まで見てしまった。
- 事故現場を怖いもの見たさでつい振り返ってしまう。
- 怖いもの見たさから、ホラー映画のあらすじをつい調べてしまう。
英語表現
morbid curiosity
「病的な好奇心」という意味の表現で、怖いものについ引き寄せられる心理を表す際に使われる。
Out of morbid curiosity, I clicked on the video.
(怖いもの見たさで、その動画をクリックしてしまった。)
『道具屋十七兵衛』に見える「こわいもの見たさ」
『道具屋十七兵衛』には「そこの前をとをるにもほうかむりをしてこわいもの見たさにとほれど」とあり、ほおかむりをしながらも、こわいもの見たさにその前を通る様子が書かれています。
見れば恐ろしいとわかっていながら、つい見たくなってしまう心の動きです。
江戸の戯作には町人の日常や失敗談を面白おかしく描く読み物が多く、こうした人間らしい心の矛盾も題材にされました。
明治期に入ってからも、1911年(明治44年)に発表された森鷗外の小説「百物語」に「こわい物見たさ」という形で出てきます。










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