意味
「生みの苦しみ(うみのくるしみ)」とは、何か新しいものを作り上げようとする途中で、避けて通れずに味わう苦労を意味します。
もとは出産の痛みを指す言葉ですが、作品づくりや事業の立ち上げなど、幅広い創造の場面で使われます。
- 生み(うみ):新しく何かを作り出すこと。
- 苦しみ(くるしみ):耐えがたい痛みや苦労。
語源・由来
「生みの苦しみ」は、子を産むときの実際の痛みに由来する言葉です。
出産という、命がけで新しい命を世に送り出す営みの苦しさが、やがて比喩として広がり、作品や制度、事業など、何かを新しく形にする際の苦労全般を指すようになりました。
「産みの苦しみ」と表記されることもありますが、出産そのものを指す場合は「産む」、誕生や創造など広い意味で使う場合は「生む」を使い分けるのが一般的です。
使い方・例文
「生みの苦しみ」は、作品や事業、企画などを新しく生み出す過程の苦労を語る場面で使われます。
- 新製品の開発は、まさに生みの苦しみの連続だった。
- 小説の結末が決まらず、生みの苦しみを味わっている。
- 会社の設立には、相応の生みの苦しみが伴うものだ。
類義語・関連語
「生みの苦しみ」と同様に、物事がなかなか思うように進まない状況を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 難産(なんざん):
物事がなかなか思うように進まないこと。
英語表現
growing pains
新しいことを始めた際に伴う、避けられない苦労や困難を表す表現
The new system faced some growing pains before it worked smoothly.
(新しいシステムは、円滑に動き出すまで生みの苦しみを味わった。)
birth pangs
新しい体制や変化が生まれる際に伴う、避けがたい苦しみを表す表現
The reform process went through the birth pangs of a fledgling democracy.
(その改革は、若い民主主義の生みの苦しみを経験した。)
国語審議会の用例には「産みの苦しみ」とあった
大正8年(1919)、政治家の後藤新平は『自治生活の新精神』で、第一次世界大戦のあとの世界の苦しみを、新しい文明を生み出そうとする「産みの苦しみ」と書いています。
出産ではなく比喩の意味でも、「産」の字で書かれていた例です。
昭和47年(1972)に国語審議会の漢字部会がまとめた「『異字同訓』の漢字の用法」では、「産む」の用例に「産みの苦しみ」が挙がっていました。
平成26年(2014)に文化審議会の国語分科会がまとめた使い分け例では、この語は挙がっておらず、「生む」に「新しく作り出す」という説明が付いています。
作品や事業を新しく作り出すときの苦労をいう「生みの苦しみ」は、この「新しく作り出す」に当たる書き方です。










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