風雨晦冥

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激しい風と雨が吹き荒れ、昼間だというのに辺りは夜のように暗い。
そんな荒れ果てた情景を表す四字熟語が、「風雨晦冥」(ふううかいめい)です。

意味

風雨晦冥とは、激しい風雨のために、辺りが真っ暗になることという意味です。
転じて、社会の秩序が乱れ、先行きの見えない不安な世の中になることのたとえとしても使われる、緊迫した情勢を表す言葉です。

  • 風雨(ふうう):激しく吹きつける風と雨。
  • 晦冥(かいめい):光がなく暗いこと。

語源・由来

「風雨晦冥」は、中国の歴史書『元史』に見える表現で、元の皇帝フビライが長江を渡ろうとした際、風雨のために辺りが暗くなり、諸将が渡河は無理だと進言した場面に登場するとされています。
激しい天候によって視界が奪われる緊迫した状況を描いた言葉が、そのまま政治や社会の混乱した状況を表す比喩としても使われるようになりました。

使い方・例文

「風雨晦冥」は、実際の荒天を描写する場合と、混乱した世相を比喩的に表す場合の両方で使われます。

  • 台風の接近で、街は風雨晦冥の様相を呈した。
  • 政局は風雨晦冥、先の見通しが立たない。
  • 戦乱の世は、まさに風雨晦冥と呼ぶにふさわしかった。

類義語・関連語

「風雨晦冥」と同様に、先行きの見えない混乱した状況を表す言葉には以下のようなものがあります。

  • 暗雲低迷(あんうんていめい):悪い状態が長く続き好転の見込みが立たないこと。
  • 五里霧中(ごりむちゅう):手がかりがつかめず方針が立たない状態。

天候の暗さで政情を語る中国古典の伝統

「風雨晦冥」のように、荒天の暗さで社会の混乱を語る手法は、中国古典に広く見られる伝統です。
『詩経』にある「風雨如晦(ふううじょかい)」という句も、暗い風雨を背景に人の心情を重ねた表現として知られています。
目に見える自然の脅威を借りて、目に見えない社会の不安を描き出す発想は、漢詩や史書に共通する表現技法のひとつです。

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