意味
「群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)」とは、力のある者たちが各地に陣取り、互いに勢力を張り合っている状態を表す四字熟語です。
抜きん出た一者がおらず、決着がつかないまま並び立っている状態を指します。
混乱を嘆く響きよりも、力が拮抗している面白さを語る響きで使われることが多い言葉です。
- 群雄(ぐんゆう):多くの実力者たち。
- 割拠(かっきょ):土地を分け取って、そこに拠ること。
語源・由来
「群雄割拠」は、「群雄」と「割拠」という二つの漢語を組み合わせてできた言葉です。
「割拠」は、土地を割って自分の拠点とすることを指します。
「群雄」は、並び立つ多くの実力者を一語にまとめた言い方です。
日本では、後漢の末から三国が並び立つまでの中国や、応仁の乱のあとの日本を説明する言葉として定着しました。
いずれも中央の力が弱まり、各地の実力者が自前の領地を持って争った時期にあたります。
使い方・例文
「群雄割拠」は、歴史を語る場面のほか、抜きん出た一社がない市場を説明する場面でもよく使われます。
- 応仁の乱を境に、各地の実力者が群雄割拠する時代に入った。
- この分野はまだ群雄割拠で、標準規格が定まっていない。
- 三十社が群雄割拠する市場に、後から入るのは分が悪い。
類義語・関連語
「群雄割拠」と同じく、力が並び立って定まらない状態を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 百家争鳴(ひゃっかそうめい):
立場の異なる者が、それぞれ自由に主張を戦わせること。 - 下剋上(げこくじょう):
下の立場の者が、上の者を実力で追い落とすこと。
「群雄割拠」と「百家争鳴」の違い
どちらも並び立つ状態を指しますが、争っているものが違います。
「群雄割拠」が争うのは領地や取り分で、「百家争鳴」が争うのは考え方です。
| 語句 | 争うもの | 使う場面 |
|---|---|---|
| 群雄割拠 (ぐんゆうかっきょ) | 領地・市場 | 勢力争い |
| 百家争鳴 (ひゃっかそうめい) | 主張・学説 | 議論 |
対義語
- 天下統一(てんかとういつ):
ばらばらだった勢力を、一つの支配のもとにまとめること。
明治の歴史書は「群雄割拠」を時代の名に使った
明治のはじめには、「群雄割拠」は西洋の歴史を語るのにも使われました。
明治9年(1876年)の『万国史略』は、西ローマ帝国が崩れていく時代の節に「群雄割拠」の題を付け、各地の勢力が国を分けて並び立った様子を述べています。
明治26年(1893年)に出た歴史書『日本史要』は、戦国時代にあたる章に「群雄割拠ノ世」という題を付けています。
本文では、正親町天皇の時代を「群雄割拠ノ世又ハ戦国ノ世ト称シ」と書き、二つを同じ時代の呼び名として並べています。
(群雄割拠の世、または戦国の世と呼び、という意味です。)
『日本史要』では、「群雄割拠」が「戦国」と並ぶ時代の呼び名になっていました。









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