意味
「神隠し(かみかくし)」とは、ある日突然人の姿が消えてしまい、どれだけ捜しても行方が知れなくなる、説明のつかない出来事を意味します。
特に子どもの失踪に対して使われることが多く、理屈では説明のつかない出来事を神や妖怪の仕業とみなす、恐れと不思議さの入り混じった響きを持つ言葉です。
- 神(かみ):人知を超えた力を持つ存在。
- 隠し(かくし):見えないように隠すこと。
語源・由来
「神隠し」は、前触れもなく人が失踪したり、山や森で道に迷って戻れなくなったりする出来事を、神や天狗の仕業とみなしたことから生まれた言葉です。
民俗学者の柳田国男は各地の伝承を集める中で、失踪者が出ると村人が鉦や太鼓を打ち鳴らし、名前を呼びながら山中を捜し歩く習俗があったことを記録しています。
戻ってきた人が、夢見心地のまま天狗と空を飛んだ、山奥の美しい花畑を歩いたなどと語ることもあったとされ、説明のつかない失踪や記憶の混乱を、異界とのかかわりとして受け止める土壌がそこにはありました。
使い方・例文
「神隠し」は、人が不可解な形で行方不明になった状況を表す場面で使われます。
- 山道で子どもが消え、村では神隠しだと噂になった。
- まるで神隠しにでも遭ったように、鍵が忽然と消えた。
- 祖母は昔、この森で神隠しに遭った少年の話をしてくれた。
類義語・関連語
「神隠し」と同様に、不可解な形で人や物が消えることを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 忽然と消える(こつぜんときえる):
前触れもなく、あっという間に姿を消すこと。 - 行方不明(ゆくえふめい):
居場所や消息が分からなくなること。
神隠しの犯人は天狗、夕暮れの外遊びを戒める言葉にも
柳田国男は『山の人生』で、神隠しをする者として最も疑われたのは天狗のたぐいだったと書いています。
子どもが山や川で遭難したり事故に巻き込まれたりすることが珍しくなかった時代、その理由を超自然的な存在に求めることは、遺された家族の悲しみに一定の説明を与える役割を果たしていたと考えられます。
同じ本には、暗くなってから隠れんぼをすると鬼や隠し婆さんに連れて行かれる、と言って子どもを戒める親が多かったことも書き留められています。
神隠しの言い伝えには、夕暮れの外遊びから子どもを遠ざける戒めの役目もあったとみられます。










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