慣用句

大船に乗る

(おおぶねにのる)

頼れるものに任せて、安心していられる状態になること。


7文字の言葉」から始まる言葉
大船に乗る ことば
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意味

「大船に乗る」は、「大船に乗った気でいなさい」のように、相手を安心させる言葉として使われます。
大きな船は小舟より揺れが少なく沈みにくいことから、頼れるものに任せて、心配がいらなくなった状態を表します。
自分が動くのではなく、任せる側の立場から言う言葉です。

  • 大船(おおぶね):大きな船。
  • 乗る(のる):身をあずけること。

語源・由来

「大船に乗る」は、江戸時代の俳諧にすでに出てくる言い方です。
井原西鶴の『西鶴大矢数』(1681年)に「心がすはつて大舟に乗る」という句が登場し、ここでは「大舟」と書かれています。

此ことく吹と思はぬ浮世かせ 心かすはって大舟にのる

時代が下ると、徳田秋声の小説「黴」(1911年)に「大丈夫大船に乗った気でおいでなさい」という言い方が出てきます。
同じ意味の言葉には「親船に乗る」があります。

使い方・例文

「大船に乗る」は、頼れる相手に任せて心配がなくなった状況を表す場面で使われます。

  • あとは私に任せて、大船に乗ったつもりでいてください。
  • 名医が執刀すると聞き、家族は大船に乗った気持ちになった。
  • 経験豊富な先輩が付くと決まり、大船に乗ったようだ。

類義語・関連語

「大船に乗る」と同じく、心配がなくなった状態を表す言葉には以下のようなものがあります。

  • 親船に乗る(おやぶねにのる):
    心丈夫に思ったり、安心したりすること。
  • 枕を高くする(まくらをたかくする):
    心配事がなくなり、安心して眠ること。

「大船に乗る」と「枕を高くする」の違い

どちらも心配がなくなった状態を表しますが、安心の理由が違います。
「大船に乗る」は頼れる相手に任せたことによる安心で、「枕を高くする」は心配の種そのものが消えたことによる安心です。

語句安心の理由使う場面
大船に乗る
(おおぶねにのる)
頼れる相手に任せた人や組織に委ねるとき
枕を高くする
(まくらをたかくする)
心配の種が消えた危険が去ったとき

対義語

  • 泥船に乗る(どろぶねにのる):
    破綻や失敗が目に見えている危険なものに身を置くこと。

英語表現

in good hands

信頼できる相手に任せてあるので心配はいらない、と伝えるときの表現。

Leave it to us. You are in good hands.
(私たちにお任せください。大船に乗ったつもりでどうぞ。)

rest assured

相手に向かって、心配はいらないと請け合うときの言い回し。

You can rest assured that the work will be finished.
(仕事は必ず仕上がりますので、大船に乗った気でいてください。)

「乗る」が作る言い回し

「乗る」は、乗り物に体をあずける動作から、相手や流れに身を置くという意味へ広がった言葉です。
「調子に乗る」は勢いに任せること、「口車に乗る」は巧みな言葉にだまされること、「相談に乗る」は求められた話し合いに応じることを指します。
いずれも実際に何かに乗るわけではなく、身の置きどころを言い表しています。
「大船に乗る」は、その置きどころを船の大きさで示した形です。

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