四字熟語 仏教用語

大慈大悲

(だいじだいひ)

広く限りのない、仏や菩薩の慈悲。特に観世音菩薩の大きな慈悲。


6文字の言葉た・だ」から始まる言葉
大慈大悲 ことば
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意味

「大慈大悲」とは、はかりしれないほど大きな、仏や菩薩の慈悲という意味です。「大慈」と「大悲」という、はたらきの違う二つの語を重ねた形の言葉です。観世音菩薩をたたえる場面で使われ、「大慈大悲の観世音菩薩」のように菩薩そのものを指すこともあります。

構成要素は、以下のように分解できます。

  • 大慈(だいじ):人々に楽しみを与えること。
  • 大悲(だいひ):人々の苦しみを取り除くこと。

語源・由来

「大慈大悲」は仏教の言葉で、「慈悲」に「大」を冠して大きさを言い表した形です。
7世紀前半に成立した法華経の注釈書『法華義疏』に、如来が大慈大悲をもって常に怠ることがないと述べる箇所が出てきます。

『保元物語』(1220年ごろか)には「罪ある者をもなだめ給ふ事、大慈大悲の本誓に叶ひまします」とあり、罪を犯した者を許す君主のふるまいを、この言葉で言い表しています。
芥川龍之介の『藪の中』(1922年)にも「大慈大悲の観世音菩薩も、お見放しなすったものかも知れません」という一節が出てきます。

使い方・例文

「大慈大悲」は、仏や菩薩の慈悲をたたえる場面や、人の力を超えた深い情けを言い表す場面で使われます。

  • この堂の本尊は、大慈大悲の観世音菩薩とされている。
  • 祖母は毎朝、大慈大悲を念じて仏壇に手を合わせていた。
  • もはや大慈大悲にすがるほかない、と父はつぶやいた。

類義語・関連語

「大慈大悲」と同じく、仏の慈悲にかかわる言葉には以下のようなものがあります。

  • 抜苦与楽(ばっくよらく):
    仏や菩薩が人々の苦しみを取り除き、楽しみを与えること。
  • 鬼手仏心(きしゅぶっしん):
    手段は厳しく残酷に見えても、その心は仏のように慈悲深いこと。
  • 鬼面仏心(きめんぶっしん):
    顔つきは鬼のように怖いが、心は仏のように慈悲深く優しいこと。

「大慈大悲」と「抜苦与楽」の違い

どちらも仏や菩薩の慈悲を表す言葉で、指している中身はほとんど重なります。
「大慈大悲」は慈悲の大きさをたたえる言い方で、「抜苦与楽」は苦を除いて楽を与えるというはたらきの中身を述べた言い方です。

語句表しているもの使われる場面
大慈大悲
(だいじだいひ)
慈悲の大きさ仏や菩薩をたたえるとき
抜苦与楽
(ばっくよらく)
慈悲のはたらきの中身慈悲の内容を説くとき

慈悲を四つに分けた教え

仏教には、人に向ける心を四つに分けて説く「四無量心」という教えがあります。
楽しみを与える慈、苦しみを取り除く悲、他人の幸せを喜ぶ喜、そして愛憎の隔てを置かない捨の四つです。
「大慈大悲」が指しているのは、このうち初めの二つにあたります。
いずれも、はかりしれない数の生きとし生けるものに向けて起こす心です。

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