意味
「万世一系」は、数の上でいちばん離れた「万」と「一」を向かい合わせに置いた四字熟語です。
数え切れないほどの世代を重ねてもなお血筋はひとつのまま、つまり永久に同じ系統が続くことを表します。
- 万世(ばんせい):限りなく何代も続く長い世。
- 一系(いっけい):ひとつながりの血筋。
語源・由来
「万世一系」は、明治二十二年(1889年)に発布された大日本帝国憲法の第一条に書き込まれた言葉です。
その条文は「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」というものです。
大日本帝国憲法は昭和二十一年(1946年)に公布された日本国憲法へと改められ、この一節は現在の条文には置かれていません。
使い方・例文
「万世一系」は、皇室の血筋が絶えることなく続いてきたことを述べる場面で使われます。
- 教科書は万世一系という語を、憲法の条文とともに紹介している。
- 明治期の演説の記録には、万世一系という語がくり返し出てくる。
- 講義では万世一系という言葉の出どころが取り上げられた。
類義語・関連語
「万世一系」と同じように、いつまでも変わらずに続くことを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 万世不易(ばんせいふえき):
限りなく続く世を通じて、そのままであり続けること。 - 千古不易(せんこふえき):
長い年月にわたって変わらないさま。 - 永久不変(えいきゅうふへん):
いつまでも続き、その間ずっと中身が変わらないこと。
「万世一系」と「万世不易」の違い
どちらも「万世」を頭に置いて、長く変わらないことを言い表します。
違いは変わらない中身のほうにあり、「万世一系」は血筋のつながりを、「万世不易」は物事のありようそのものを指します。
| 語句 | 変わらないもの | 言い表す範囲 |
|---|---|---|
| 万世一系 (ばんせいいっけい) | 血筋のつながり | ひとつの系統 |
| 万世不易 (ばんせいふえき) | 物事のありよう | 世の中のことがら全般 |
英語表現
an unbroken line
途切れずに受け継がれてきた血筋や系譜を指す言い方。
The imperial house is said to have continued through an unbroken line.
(その皇室はとぎれない血筋を通じて続いてきたといわれます。)
岩倉具視が使うまで、この四字は存在しなかった
大日本帝国憲法の起草にあたった井上毅が専門家に調べさせたところ、「万世一系」という言葉は日本の古書にも中国の古典にも見当たらないという報告を受けました。
確認されている最も古い使用例は、岩倉具視が慶応三年(1867年)に記した「王政復古議」で、事実上の造語である可能性が指摘されています。
この言葉が広く知られるようになったのは、明治二十二年(1889年)に発布された大日本帝国憲法の第一条「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」によってです。
古くから使われてきたように見える四字熟語だが、実際には幕末から明治にかけてつくられた比較的新しい言葉にあたります。









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