意味
「時期尚早」は、「時期」と「尚早」という二つの熟語を重ねた四字熟語です。
あることを始めるにはまだ早すぎるという判断を表します。
単独の名詞としても、「時期尚早な登用」のように後ろの言葉を修飾する形でも使えます。
- 時期(じき):ある幅をもった時。期間。
- 尚早(しょうそう):するにはまだ早すぎること。
語源・由来
「時期尚早」は、「時期」と「尚早」を組み合わせてできた言い方です。
「尚早」は単独でも使える語ですが、実際にはほとんど「時期尚早」の形でしか見かけません。
使い方・例文
「時期尚早」は、提案や計画を実行に移すのを見送る理由を述べる場面で使われます。
- 新規出店は時期尚早だと、社長は首を縦に振らなかった。
- 結論を出すのは時期尚早だと感じ、採決を先送りした。
- 十歳での一人留学は時期尚早ではないかと母は案じた。
小説での使われ方
『青の時代』(三島由紀夫)
刑法を私法に近づけるという大きな提唱について、打ち出すにはまだ早いと述べる一節です。
この刑法の私法化という大目標の提唱は時期尚早なので
類義語・関連語
「時期尚早」と同じように、物事に取りかかる時機の早さを話題にする言葉には以下のようなものがあります。
- 早計(そうけい):
十分に考えないまま結論を出すこと。早まった考え。 - 急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる):
あせって急ぐと、かえって失敗を招きやすいという戒め。 - 待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり):
あせらず待っていれば、やがて好機が巡ってくるという教え。
「時期尚早」と「早計」の違い
どちらも「まだ早い」と指摘する言葉ですが、早いと見なす対象が違います。
「時期尚早」は物事を実行に移す時機が早すぎることをいい、「早計」は考えが足りないまま結論を出してしまうことをいいます。
| 語句 | 早すぎるもの | 問われる点 |
|---|---|---|
| 時期尚早 (じきしょうそう) | 実行の時機 | 取りかかる時期 |
| 早計 (そうけい) | 結論の出し方 | 考えの浅さ |
対義語
「時期尚早」とは逆に、取りかかるのが遅すぎることを表す言葉があります。
- 時すでに遅し(ときすでにおそし):
行動を起こすのが遅れて、もう手遅れになっていること。
英語表現
premature
予定より早すぎる、機が熟していないという意味をひと言で表す形容詞。
Announcing the merger now would be premature.
(今この合併を発表するのは時期尚早です。)
jump the gun
陸上競技で号砲より先に飛び出すことから生まれた、早まって始めることを表す言い方。
Don’t jump the gun. We haven’t signed the contract yet.
(早まらないでください。まだ契約を交わしていません。)
「時期」と「時機」の書き分け
「じき」と読む言葉には「時期」と「時機」があり、指すものが違います。
「時期」は、ある幅をもった時、またその時そのおりで、「入学の時期」「時期が来ればわかる」のように使います。
いっぽう「時機」は、何かを行うのによい機会という意味で、「時機を見て行動する」「時機到来」の形で使われます。
四字熟語として定着しているのは「時期尚早」のほうで、期間や折を指す「時期」の字が使われています。









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