四字熟語

万死一生

(ばんしいっしょう)

ほとんど助かるとは思えないほど危険な状態。また、そこからかろうじて命が助かること。


8文字の言葉は・ば・ぱ」から始まる言葉
万死一生 ことば
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意味

「万死一生」は、万死の中に一生を得るということで、万に一つしかない生き延びる見込みを四字にまとめた言葉です。
ほとんど助かる見込みのない危険な状態を表し、そこからかろうじて命を拾ったことにも使います。
「ばんしいっせい」とも読み、「九死一生」と同じ意味です。

  • 万死(ばんし):とうてい命の助かるはずのないこと。
  • 一生(いっしょう):万に一つ残された生きる道。

語源・由来

「万死一生」は、死ぬ見込みを万、助かる見込みを一という数で言い分けた言葉です。
前半の「万死」は一語としても使われ、とうてい生命の助かるはずのないことを表します。
『史記』の陳余伝には「万死に出でて一生を顧みざるの計」という言い方が出てきます。
命を捨てる覚悟で事に当たることを指しています。

使い方・例文

「万死一生」は、命に関わる危険や、そこを切り抜けた経験を語る場面で使われます。

  • 吹雪の尾根で遭難した父は、万死一生の思いで下山した。
  • 大きな手術のあと、祖母は万死一生を得て家に戻った。
  • あの海難からの生還は、まさに万死一生の出来事だった。

自伝での使用例

『福翁自伝』(福沢諭吉)
三十七歳で重い熱病にかかり、そこから助かったときのことを振り返る場面で使われています。

私が三十七歳のとき酷い熱病に罹て、万死一生の幸を得たそのとき、友医の説に、是れが以前のような大酒では迚も助かる道はない

類義語・関連語

「万死一生」と同じように、助かる見込みのない危険とそこからの生還を表す言葉には以下のようなものがあります。

  • 九死一生(きゅうしいっしょう):
    十のうち九まで死ぬような危険な状態を、かろうじて切り抜けること。
  • 九死に一生を得る(きゅうしにいっしょうをえる):
    絶望的な状況から、かろうじて命を救い出すこと。
  • 危機一髪(ききいっぱつ):
    今にも最悪の事態が降りかかりそうな、ほんの少しの狂いも許されない場面。

「万死一生」と「九死一生」の違い

どちらも助かる見込みのない危険から命を拾うことを言い、「万死一生」は「九死一生」と言い換えられます。
分かれるのは、助からなさをどの数で言い表すかという点です。

語句助からなさの表し方
万死一生
(ばんしいっしょう)
万に一つだけ残る生
九死一生
(きゅうしいっしょう)
十のうち九までが死

英語表現

「万死一生」を英語で言うときは、ぎりぎりで難を逃れたことを表す言い方があります。

a narrow escape

危ないところで難を逃れること。事故や災害から助かった場面に合う言い方。

We had a narrow escape when the truck skidded toward us.
(トラックが滑ってきたとき、私たちは危ないところで難を逃れました。)

by the skin of one’s teeth

歯の薄皮ほどのわずかな差で、という言い方。かろうじて切り抜けたことを言う表現。

He survived the crash by the skin of his teeth.
(彼はぎりぎりのところでその墜落を生き延びました。)

福沢諭吉が二度書いた「万死一生」

『福翁自伝』には「万死一生」がもう一か所出てきます。
故郷の中津から船に乗るため、前の晩に鵜ノ島うのしまの船宿へ泊まった場面です。
福沢は「知らぬが仏とは申しながら、後に聞けばこの夜が私の万死一生、恐ろしい時であった」と書き、理由をその船宿の若い主人が「例の有志者の仲間」だったことだとしています。
連れは老母と姪、近親の後室と六歳の子どもで、動ける男は病み上がりの福沢だけでした。
熱病から助かった場面と、危険に気づかないまま夜を明かした場面の両方に、同じ四字が使われています。

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