意味
「没分暁漢」とは、道理を「没する(なくす)」男という漢字の成り立ちの通り、筋道立てて話しても理解しようとしない、聞き分けのない人物を指す四字熟語です。
頑固で人の話を聞き入れない相手を、やや皮肉を込めて評する際に使われます。
- 没(ぼつ):ない、なくなるという意味を表す接頭語。
- 分暁(ぶんぎょう):ものごとの筋道、道理がはっきりしていること。
- 漢(かん):男、やつ。
語源・由来
「没分暁漢」は、動詞にあたる「没」が言葉の先頭に置かれている点で、日本語の語順とは異なる組み立てを持つ四字熟語です。
述語を先に置くこうした語順は中国語の文の構造に沿ったもので、大陸の言い回しが漢字表記のまま取り入れられたことをうかがわせます。
使い方・例文
「没分暁漢」は、道理を尽くして説明しても理解しようとしない相手を、やや皮肉を込めて評する際に使われます。
- あの上司はまさに没分暁漢で、何度説明しても話が通じない。
- 没分暁漢を相手に説得を続けるだけ時間の無駄だと諦めた。
類義語・関連語
「没分暁漢」と同様に、道理をわきまえない頑固さを表す言葉に「頑迷不霊」があります。
- 頑迷不霊(がんめいふれい):頑固で道理に暗く、判断力が鈍いこと。
英語表現
stubborn as a mule
ラバのように強情だという意味で、道理を説いても意見を変えない頑固さを表す言い回し。
No matter what evidence you show him, he stays stubborn as a mule.
(どんな証拠を見せても、彼は没分暁漢そのものだ。)
水滸伝の豪傑が浴びせた、道理知らずへの罵り言葉
「没分暁漢」を分解すると、「分暁」は物事の道理がはっきりしていること、「没」はそれが無いことを表す否定、「漢」は男を指す語です。
訓読すると「分暁すること没き漢」となり、道理を少しも明らかにできない男という意味が、そのまま文字に表れています。
この種の「~漢」という人物呼称は、口語体(白話)で書かれた中国の小説によく見られる言い回しで、『水滸伝』のような作品にも同様の構成を持つ人物評の語が使われています。









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